2019 Fiscal Year Research-status Report
新たに発見された病原性牛バベシアに対する国際防疫体制強化に向けた基盤研究
Project/Area Number |
19KK0174
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
横山 直明 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (80301802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白藤 梨可 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 助教 (00549909)
ティルラセンバラム シヴァクマール 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 特任研究員 (00826711)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2022-03-31
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Keywords | バベシア病 / 牛 / 国際分布調査 / 感染宿主 / リスク評価 / 疾病制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、牛にバベシア病(貧血、発熱、血色素尿など)を引き起こす新たな高病原性牛バベシア原虫をスリランカ国で発見し、昨年度に”Babesia sp. Mymensingh”と命名した。2019年度では、その新牛バベシアの国際分布の疫学調査と感染宿主の解明を行った。すなわち、我々がこれまで収集し保有するスリランカ(牛と水牛)、フィリピン(牛)、ベトナム(牛、水牛、羊、及び山羊)、モンゴル(牛)、ウガンダ(牛)、ブラジル(牛)、及びアルゼンチン(牛)の血液由来DNAサンプルを用いて、Babesia sp. Mymensinghに対するPCRスクリーニングによる診断解析を行った。その結果、ほぼすべての国からBabesia sp. Mymensinghが検出され、本バベシア種はアジア、アフリカ、及び南米に広く分布していることが初めて明らかとなった。また、牛のみならず、水牛、羊、及び山羊からも本バベシア種が検出され、Babesia sp. Mymensinghは幅広い種類の反芻動物に感染することも示された。本年度の成果より、Babesia sp. Mymensinghのリスク評価に向けた海外現地調査と疾病制御に向けた対応策ガイドラインの作成の必要性がますます高まった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新牛バベシア種の国際疫学調査を初年度に行えたことから、計画通りに順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
Babesia sp. Mymensinghは既知の高病原性牛バベシア(Babesia bovisとBabesia bigemina)に続く第3の高病原性牛バベシアである。この新バベシアの実態を把握するための学術基盤の構築は喫緊の課題である。次年度以降は、1)新バベシアはどの程度の病原性を示すのか? 2)どこから分岐して誕生したバベシアなのか? 3)どのようなマダニ種によって媒介されるのか? などの学術的な「問い」を順次解決し、国際防疫体制強化に資する研究基盤を整えていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスによる世界的蔓延の影響を受けて、海外疫学調査に向けた現地での研究打ち合わせやサンプリング調査が行えなかったことから、次年度使用額(2,500,000円)が生じた。次年度では、海外調査研究の再スタートやすでに保有している血液由来DNAサンプルのより詳細な遺伝子解析のために、次年度使用額を試薬消耗品(1,000,000円)、旅費(1,000,000円)、謝金(400,000円)、及びその他(100,000円)に分配し、翌年度分として請求した直接経費4,700,000円と合わせて、計7,200,000円を使用することを計画している。
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[Journal Article] Host range and geographical distribution of Babesia sp. Mymensingh2020
Author(s)
Sivakumar Thillaiampalam、Tuvshintulga Bumduuren、Kothalawala Hemal、Silva Seekkuge Susil Priyantha、Lan Dinh Thi Bich、Long Phung Thang、Yba?ez Adrian Patalinghug、Yba?ez Rochelle Haidee Daclan、Francisco Benitez Daniel、Tayebwa Dickson Stuart、DE Macedo Alan Caine Costa、Schnittger Leonhard、Yokoyama Naoaki
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Journal Title
Transboundary and Emerging Diseases
Volume: 67
Pages: 2233-2239
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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