2020 Fiscal Year Research-status Report
Evolutionary mechnisms for thermal niche shift in Anolis lizards
Project/Area Number |
19KK0184
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
河田 雅圭 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (90204734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤司 寛志 東京理科大学, 基礎工学部生物工学科, 研究員 (00808644)
牧野 能士 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (20443442)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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Keywords | アノールトカゲ / 温度適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,異なる温度生息場所に生息する系統的に近縁な,キューバ産Anolisトカゲの9種を用い開放高温環境の適応に関わる遺伝的基盤を解析した。Trunk-crownエコモルフの系統では、A.porcatusとA.allisoniが、Trunk-groundエコモルフでは、A. sagreiが開けた高温環境に生息している。その他の種は、森林内の低温環境や林縁部の中温環境に生息している。これら9種のゲノムのRNA-seqを行い、コード領域の配列を行った。それらのゲノムワイドな遺伝子領域の配列を用いて、PAMLとHyPhyソフトウェアにより, A.porcatusとA.allisoniの共通祖先分枝、およびA.sagreiの分枝における正の選択下での遺伝子とアミノ酸部位の同定を試みた。正の選択が試験した両方の枝で共通して検出された遺伝子はなかったが,正の選択は両方の枝でストレス応答(例えば、DNA損傷および酸化ストレス)および心臓機能に関与する遺伝子で検出され,これは熱または紫外線に対する耐性の適応進化に関連する可能性があった。これらの知見は,熱または紫外線によって引き起こされるストレスへの応答の適応進化が、高温および開放地域に生息するAnolis種の祖先で起こった可能性がある。また,高温開放環境に自然に生息する種は都市部でも繁殖する傾向がある。それらの種は、開けた高温環境に生息することで、都市地域で繁栄することに成功したことが予測された。 また、より温度適応の詳細な解析をするためにキューバアノールトカゲ6種の全ゲノム配列をChromiumを用いて決定した。アセンブルの結果、精度の高い、全ゲノム配列が得られた。全ゲノム配列を用いて、開放高温環境に生息する種の特徴の検出をこころみた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウィルス感染症のため、国外に行けないため、キューバでのサンプル採集およびアメリカでのCRSPRーCas9の実験ができなくなった。そのため、当初の計画を変更し、これまで採集したサンプルをもとに、キューバの共同研究者と議論しながら、ゲノム配列比較による温度適応の解析を行うことにしたため、進行に遅れがでている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度も国外出張が可能である見通しがたたないため、国外の研究者とメールやzoomで密接な連絡をとりながら、全ゲノム配列比較による温度適応の解析を進めていくことにした。
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Causes of Carryover |
2020年度、コロナウィルスのため国外に出張することができなかったため、使用額が減少した。国外に行けない分を、ゲノム配列の決定に用いて、研究を進行させる予定である。
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Research Products
(3 results)