2023 Fiscal Year Research-status Report
Study on the dynamics of initial infections and colonizations with intestinal protozoan parasites
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19KK0200
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
所 正治 金沢大学, 医学系, 教授 (30338024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 尚男 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (50191557)
松村 隆弘 北陸大学, 医療保健学部, 助教 (20808638)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2025-03-31
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Keywords | 腸管寄生原虫 / インドネシア / 出生コホート / 腸内微生物叢 / 分子疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの免疫系の正常発達には適切な共生微生物による免疫刺激が必須であり、その欠落による免疫系の撹乱がアレルギー・自己免疫疾患の増加を招くという衛生仮説が提唱されてきた。われわれは、非病原性原虫により構成される「腸内原虫叢」がこの必須共生微生物にあたる可能性に着目し、このような原虫の腸管寄生による宿主の健康状態・成長・宿主免疫への影響の総合的評価を目指し、観察的出生コホート研究をインドネシアにおいて立ち上げた。 これまでのインドネシアブルクンバ地域におけるコホート研究では、新型コロナ事態による日本側の海外渡航困難を打開するため、ハサヌディン大学との業務委託契約により2021年10月のコホートの立ち上げからサンプル採取を実現してきた。 2023年度は、延長申請により2024年3月に第4回目のサンプル採取を完了した。 なお、腸内原虫叢解析は初回の母体採取サンプル100検体の解析の一部が終了し、以下の原虫陽性率が確認されている(Entamoeba spp. 21.0%、 Giardia intestinalis 12.0%、Enteromonas 7.0%、Chilomastix 9.0%、Retortamonas 3.0%、 Blastocystis 59.0%)。 糞便サンプルはすべてDNA精製済みであり、予定していた4回のサンプル収集が修了したことから、インドネシアから日本へのサンプルの移送についても完了した。現在、次世代シーケンサーをもちいたアンプリコン解析による網羅的長官寄生原虫検出のプロトコルの適用を進めており、再延長による次年度には、これまでに収集したサンプルの解析を実施予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ事態によりインドネシア訪問が22年度まで実施できなかったことから、インドネシア側共同研究者への委託研究として本調査を開始した。しかしながら、開始自体が2021年10月からと遅れたことから、当初目標であった、出生から3歳までの腸内微生物層の網羅的評価のための採材は、延長申請による2024年3月実施のフィールドワークでようやく完了したところである。
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Strategy for Future Research Activity |
予定した4回のサンプル採取がようやく完了し、サンプルの移送がようやく実現したため、再度の延長申請の上、サンプルの本格解析をいよいよ稼働する。2024年度内の解析完了と論文作成準備を予定している。
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Causes of Carryover |
新型コロナ事態による研究開始の遅れに伴い、予定していた4回のサンプル採取の終了が2024年3月になったことから、採取済みサンプルの解析を次年度に実施する必要があるため。
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