2020 Fiscal Year Research-status Report
発生・幹細胞・腎骨髄連関を軸に考える高齢ドナー腎臓の若返りの試み:国際共同研究
Project/Area Number |
19KK0216
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
臼井 丈一 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (70447340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川西 邦夫 筑波大学, 医学医療系, 助教 (00578750)
馬渕 洋 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (50424172)
山崎 聡 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50625580)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2022-03-31
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Keywords | 内科 / 臓器移植 / 幹細胞 / 老化 / 発生 / 糖鎖 / 病理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨髄老化により引き起こされる腎臓老化・病態メカニズムの解明および高齢ドナー腎臓の若返り手法の模索を主目的とした国際研究ネットワークを構築している。 A-1:幹細胞老化と腎臓病および骨髄移植による腎臓の若返りモデル(臼井、山崎、スタンフォード大学、馬渕、ケンブリッジ大学):腎臓病モデルでの老化の影響を確認し骨髄移植モデル実験の準備を進めた。幹細胞老化に関わる重要な因子の同定に至っており、3論文を投稿中である。他、老齢HSCが若齢骨髄内で若返らない事や老化細胞評価ツールp16トレーサーマウス開発等の共同研究成果を発表した。ヒト幹細胞老化でのFZD5の研究成果を報告した。馬渕がケンブリッジ大学を訪問し論文投稿中である。A-2.老化依存性ミトコンドリア機能変化と腎臓病(臼井):Mitoマウスを用いて加齢性変異ミトコンドリア>90%に至ると糸球体硬化が起ることを証明した(論文投稿中)。A-3.動脈硬化に関与する糖鎖変化と腎臓病(川西、カリフォルニア大学):シアル酸分子合成酵素KOマウスを用いたNeu5Acの動脈硬化発症への関与を明らかにし論文リバイス中である。Neu5Acと筋ジストロフィーとの関連性の成果を論文リバイス中である。A-4.腎臓発生のキー転写因子TC21発現と腎臓病(臼井、山崎、コーネル大学、仏):TCF21が高齢者好発の腎臓病で糸球体発現亢進しin vitro実験系で保護効果を観察し成果を論文発表した。CommonなIgA腎症でのサブ解析の成果を論文投稿中である。 B. ヒト移植腎検体での腎老化若返りの検証システム構築とAの検証(臼井、コーネル大学):ヒト腎移植D/R年齢を考慮した老化若返り検証の腎検体セットを作成し老化指標発現の解析を進めた。移植時検体で老化指標と年齢の間で正の相関を確認した。移植1年後の年齢環境の影響を検討中。米国で検討展開を図る準備を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度予定していた海外研究施設への出張の大半がCOVID-19感染による渡航自粛・中止要請に伴い、不可能となった。そのような世界情勢の中で、研究分担者馬渕が半年以上に渡り英国ケンブリッジ大学を訪問し共同研究を進め、幹細胞と老化に関連する共同研究の成果を挙げ、論文投稿中である。そして、複数のプロジェクトは計画を修正、代替実施することによりおおむね順調に進捗している。複数の課題の成果報告も実現し、目的を達成できている。
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Strategy for Future Research Activity |
幹細胞・老化・糖鎖・発生の基礎的研究の知見を臨床医学研究に還元することを目標として、腎臓病病態や腎臓老化の解明や移植におけるドナー腎臓の若返りを念頭に置き、引き続き同様のテーマに則し研究を進捗する予定である。研究のための海外渡航が許可される世界情勢となり次第、速やかに予定された海外施設での活動を行う。それまでは研究進捗に支障のないように、国内で可能な限りの代替研究として進めることで対処する。プロジェクトA-1の腎臓病・骨髄移植・老化との関連性の検証を中心に、全プロジェクトを進め、国際共同研究へさらに大きく展開していく方向性に変更はない。
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Causes of Carryover |
本年度予定していた海外研究施設への出張がCOVID-19感染による渡航自粛・中止に伴い不可能となったため、旅費への使用がほぼ不可能であった。小動物の実験スケジュールを変更したため、消耗品費が予定より少額であった。以上を考慮し、当該年度の未使用額は来年度の費用に充てる予定である。具体的には、COVID-19感染症の世界的鎮静化となれば国外国内旅費を中心として、その他、小動物実験関連の消耗品費および論文投稿関係の費用として使用する。
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article] HHEX promotes myeloid transformation in cooperation with mutant ASXL12020
Author(s)
Takeda Reina、Asada Shuhei、Park Sung-Joon、Yokoyama Akihiko、Becker Hans Jiro、Kanai Akinori、Visconte Valeria、Hershberger Courtney E、Hayashi Yasutaka、Yonezawa Taishi、Tamura Moe、Fukushima Tsuyoshi、Tanaka Yosuke、Fukuyama Tomofusa、Matsumoto Akiko、Yamasaki Satoshi、Nakai Kenta、Yamazaki Satoshi、et al.
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Journal Title
Blood
Volume: 136
Pages: 1670-1684
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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