2019 Fiscal Year Research-status Report
Leukemic stem cell signatures to identify therapeutic targets of elderly acute myeloid leukemia
Project/Area Number |
19KK0221
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
田部 陽子 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70306968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藍 智彦 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (00570128)
鈴木 浩也 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 博士研究員 (40788551)
早津 徳人 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 研究員 (80543058)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2025-03-31
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Keywords | 難治性白血病 / BCL-2 / DNAメチル基転移酵素 / RNA-seq / Single-Cell ATAC-Seq / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢化が進む先進国で多発する難治性白血病や骨髄異形成症候群の治療は喫緊の課題である。副作用の低減と治療効果の向上を両立する治療戦略として、現在米国で「抗アポトーシス因子BCL-2とDNAメチル基転移酵素DNMTの同時阻害」臨床研究が進行中である。 本国際共同研究では、single cell RNA-seqの先端解析技術を軸とした複数の先端技術を統合し、現在、臨床試験が行われているMD Anderson Cancer Centerにおいて治療後に残存する白血病幹細胞の精密なプロファイリングを実施する。これによって今回対象とする難治性疾患の治療効果を予測・評価するバイオマーカーを特定することを目標とする。 当該年度の研究では、Pilot study として同臨床研究を目的として採取された治療前後の患者サンプル(再発 有・無を含む)を用いてRNA-seq解析(48検体)とSingle-Cell ATAC-Seq (scATAC-Seq、8検体)に着手した。RNA-seq解析では、新規発症例で本治療後に完全寛解に至った7例、寛解後再発した1例、再発/治療不応症例で本治療後に完全寛解に至った4例、寛解後再発した3例、本治療の効果が認められなかった3例(治療前18検体と再発後1検体、計19検体)の解析を先行して行った。その結果、新規発症群と再発群において治療開始前の検体で有意な発現変動を認めた遺伝子は14、再発症例の中で寛解群と本治療不応群間の発現変動遺伝子は114、治療前後の比較が可能であった再発1症例において治療前と再発時に発現変動を認めた遺伝子は17であった。今後、変動が確認された遺伝子の詳細に関する検討を進める。また、scATAC-Seq解析についても解析を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の研究では、「抗アポトーシス因子BCL-2とDNAメチル基転移酵素DNMTの同時阻害」臨床研究において採取された治療前後の患者サンプルを用いてRNA-seq解析(48検体)とSingle-Cell ATAC-Seq (scATAC-Seq、8検体)の解析を終了する予定であった。しかし、2019年12月の中国湖北省武漢市での重症肺炎報告後、非常に短期間で世界的な流行となった新型コロナウイルス感染症の蔓延により、米国の研究室は早期に全面閉鎖、試薬の納品がストップし、日本の研究室も閉鎖されるなどの影響で研究の振興が遅れている。 一方、すでにRNA-seq解析の一部については先行実施し、残りのRNA-seqとscATAC-Seq解析についても研究閉鎖が解除され次第、再開する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、初発未治療群と治療不応性・再発群それぞれについて、非再発例の治療前検体、再発例の治療前、再発後検体の計48検体についてRNA-seq解析を行い、治療効果を予測・評価するバイオマーカー特定に向けての予備データを蓄積する。また、scATAC-Seq解析についても、再発症例および治療不応症例を対象に、治療前と治療後(治療反応時、再発時を含む)の解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
本年度に購入を予定していたsingle cell RNA-seq試薬が世界的な新型コロナウイルス流行の影響で購入できない状況になっている。今後、物流が復興し次第、予算を執行していく。
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