2021 Fiscal Year Annual Research Report
Roles of a non-coding RNA that regulates normal and neoplastic T cell development
Project/Area Number |
19KK0222
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
伊川 友活 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 教授 (60450392)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 淳一朗 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 特別研究員 (00852162)
磯田 健志 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (80815225)
|
Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2022-03-31
|
Keywords | 非コードRNA / T細胞分化 / 胸腺 / エピジェネティクス / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
T細胞は感染防御だけでなく、がん、アレルギー、生活習慣病など多くの疾患に関わっている。T細胞がその機能を発揮するためには分化・成熟過程において細胞の運命が厳格に制御・維持されなければならない。これは様々な転写因子やエピジェネティック因子によって制御されているが、詳細は明らかではない。我々は以前、転写因子Bcl11bがT細胞分化のマスターレギュレーターであることを報告した(Ikawa et al. Science, 2010)。さらに最近、Bcl11bのエンハンサー領域から転写される非コードRNA(ThymoD)を発見し、これがT細胞の運命制御に重要であることを示した(Isoda et al. Cell, 2017)。ThymoD欠損マウスでは、Bcl11b欠損マウスと同様T細胞分化が未分化な段階で停止し白血病を発症する。そこで本研究では、このBcl11b/ThymoDによるT細胞のアイデンティティーの確立および白血病抑制機構を解明することを目的とする。 本年度はThymoD欠損iLS細胞を用いて更に解析を進めた。ThymoD欠損ilS細胞は正常なiLS細胞と同様に増殖するが、T細胞へ分化誘導すると、DN2で分化が停滞する。このDN2細胞をソートし、qRT-PCRを用いて遺伝子発現を調べたところ、CMYCの発現が有意に上昇していた。このことから、ThymoDはCMYCの発現を抑制することにより、T細胞分化を促進することが示唆された。一方、ヒトThymoDの機能を明らかにするため、ヒトT細胞性急性リンパ性白血病株3種とB細胞性白血病細胞株2種を用いて、ATAC-seq,RNA-seq, ChIP-seq解析を行ったところ、Bcl11bスーパーエンハンサーの活性はT細胞性白血病で高いことが確認された。従って、ヒトT細胞性腫瘍においてもThymoDが重要であることが示唆された。
|
Research Products
(8 results)