2019 Fiscal Year Research-status Report
Novel treatment strategy targeting neoantigen induced by epigenetic alterations in malignant glioma formation
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19KK0228
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
夏目 敦至 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (30362255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大岡 史治 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (10725724)
青木 恒介 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (10759773)
平野 雅規 名古屋大学, 医学系研究科, 研究員 (40823076)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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Keywords | 染色体構造異常 / エピゲノム異常 / 脳腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
H3F3A K27M変異を示すH3 K27M変異型Diffuse midline glioma, H3 K27M-mutant(DMG)症例の4例で、H3F3A K27Mの変異型アレル数が野生型アレル数よりも多くなっていることが明らかになった。いずれの症例においても、本来は1:1であるはずのH3F3A遺伝子変異型アレル数とH3F3A遺伝子野生型アレル数のバランスが崩れており、K27M変異を持つ変異型アレルが優位になっていた。具体的には、1例では野生型H3F3A遺伝子領域周囲の部分欠失のみであったが、2例では染色体レベルでの野生型アレルの欠失に加えて変異型アレルの染色体レベルでの増幅を認めた。また1例は2本の染色体の両方にK27M変異を有している、Uniparental disomy(UPD)であることが明らかになった。染色体1番短腕および1番長腕のプローブを用いたFISH解析でも、これらの症例は同様の結果であることを確認した。次にこれらの症例のエピゲノム変化を蛍光免疫染色およびウエスタンブロット法により調べると、H3F3A K27MのMASI症例はVAFが50%よりも低い症例と比べてH3 K27Mタンパク発現が有意に高くなっており、また遺伝子発現抑制型ヒストン修飾であるH3K27me3レベルが減していた。さらにH3F3A K27MのMASIを認める症例は、それ以外の症例と比較して全生存期間(OS:P = 0.01)および無憎悪生存期間(PFS:P = 0.03)のいずれも不良であることが明らかになった。このことは、H3F3A K27MのMASIがDMGの悪性性質の獲得に強く関与していることを示唆する重要な結果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
この課題に関連する論文を2編公表できた。
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Strategy for Future Research Activity |
免疫治療前後のオルガノイドクローン、腫瘍組織を用いて全ゲノム解析とRNA-Seq、DNAメチル化解析、ChIP-Seqによるヒストン修飾の網羅解析を行う。分担者の青木はこれまでに脳腫瘍検体を用いた全ゲノム解析について解析法を確立している。本解析はTaylor教授との共同研究にて夏目、青木がトロントにて行う。治療前後の検体の全ゲノム解析、RNA-Seqを比較することで治療により変化を示すスプライシング異常を同定する。エピゲノム解析は同様の検体を用いて抗H3K27Ac抗体によるChIP-Seqを行い、ヒストン修飾解析、アクティブエンハンサー領域の解析を行う。また、同定したスプライシング異常を示す領域と、スプライシングに関わる遺伝子群のプロモーター、エンハンサー領域のDNAメチル化、ヒストン修飾異常を解析する。分担者の大岡、平野がこれまで腫瘍検体を用いたChIP-Seq研究の経験が豊富なトロントチームにて行う。また、オルガノイドモデルを用いて、上記にて同定したエピゲノム異常を誘導するエピゲノム因子のゲノム領域に対してCRISPR/Cas9システムを用いたノックアウトを行う。また同様に強制発現ベクターを作成し、オルガノイドに導入する。これらの操作によりスプライシング異常の変化を解析する。また遺伝子操作前後で発現変化を示すスプライシングに関わることが明らかになっている遺伝子群を同定する。これらの遺伝子群のプロモーター、エンハンサー領域のDNAメチル化、ヒストン修飾プロファイルを同定する。エピゲノム因子に対する阻害剤、またはアクティブエンハンサーの阻害剤であるJQ1を用いて、同様の解析を行う。
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[Journal Article] H3F3A mutant allele specific imbalance in an aggressive subtype of diffuse midline glioma, H3 K27M-mutant.2020
Author(s)
Maeda S, Ohka F, Okuno Y, Aoki K, Motomura K, Takeuchi K, Kusakari H, Yanagisawa N, Sato S, Yamaguchi J, Tanahashi K, Hirano M, Kato A, Shimizu H, Kitano Y, Yamazaki S, Yamashita S, Takeshima H, Shinjo K, Kondo Y, Wakabayashi T, Natsume A.
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Journal Title
Acta Neuropathol Commun.
Volume: 8
Pages: 8
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Trautmann-focused mastoidectomy for a simple, safe presigmoid approach: technical note.2020
Author(s)
Tanahashi K, Uda K, Araki Y, Takeuchi K, Choo J, Chalise L, Motomura K, Ohka F, Wakabayashi T, Natsume A.
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Journal Title
J Neurosurg.
Volume: 3
Pages: 1-5
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Pathogenic Epigenetic Consequences of Genetic Alterations in IDH-Wild-Type Diffuse Astrocytic Gliomas.2019
Author(s)
Ohka F, Shinjo K, Deguchi S, Matsui Y, Okuno Y, Katsushima K, Suzuki M, Kato A, Ogiso N, Yamamichi A, Aoki K, Suzuki H, Sato S, Arul Rayan N, Prabhakar S, Goke J, Shimamura T, Maruyama R, Takahashi S, Suzumura A, Kimura H, Wakabayashi T, Zong H, Natsume A, Kondo Y.
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Journal Title
Cancer Res.
Volume: 79
Pages: 4814-4827
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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