2021 Fiscal Year Research-status Report
Mechanism of epigenetic aberration in inflammation-related carcinogenesis: molecular epidemiology by a comparison of risk factors between Japan and China
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19KK0238
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
村田 真理子 三重大学, 医学系研究科, 教授 (10171141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
及川 伸二 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (10277006)
中村 哲 三重大学, 医学系研究科, 助教 (00437112) [Withdrawn]
翠川 薫 鈴鹿大学, こども教育学部, 教授 (20393366)
有馬 寧 鈴鹿医療科学大学, 医療科学研究科, 教授 (30263015) [Withdrawn]
XU YIFEI 三重大学, 医学部附属病院, 技術補佐員 (70952894)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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Keywords | 咽頭がん / 環境因子 / ウィルス / エピゲノム異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は感染・炎症を生じる環境因子が発がんに大きく影響する咽頭がんをモデルとし、環境因子がどのようにエピゲノム異常発生に寄与し発がんに至るのかを分子疫学研究により明らかにすることを目指す。中国南部ではEpstein-Barrウィルス(EBV)関連上咽頭がんが多発しており、広西医科大学との共同研究を行っている。環境因子としてEBVとヒトパピローマウィルス(HPV)の感染状況についてin situ hybridization により、上咽頭癌組織における検出率を解析した。90%にEBVの局所感染があり、10%ではHPVとの重複感染であった。また、マクロファージ分化にHPVウィルス感染が影響することが示唆された(BMC Cancer, 2021)。EBVの潜伏感染時にウィルス遺伝子はメチル化により不活化され、それに伴いヒト遺伝子もメチル化される。多くのがん抑制遺伝子のプロモーター領域のDNAメチル化によりその機能が阻害され、がんに進展する。公開されている遺伝子発現情報データベースを用いて、Growth differentiation factor-10 (GDF10)が上咽頭癌のみならず、頭頸部腫瘍や肺癌でも発現低下があり、がん抑制遺伝子候補として重要であることが確認された。上咽頭癌においては病期が進行するほど、発現が低く、がんの進展にも寄与することが示唆された。GDF10プロモーター領域のDNAメチル化と発現との間には有意な負の相関がみいだされた。ヒト上咽頭癌由来培養細胞を用いて、GDF10発現ベクターを導入することで、がん細胞の増殖、浸潤が抑制され、また、ヌードマウスへの皮下移植モデルにおいても腫瘍の縮小がみられ、がん抑制遺伝子としての機能が明らかとなった(Carcinogenesis, 2022)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画では、2020年2月に相手国である中国を訪問し、調査・研究を行う予定であったが、中国でのCOVID-19の流行により渡航を中止した。しかし、既に得られているデータ・資料により解析を進め、また、公開されている遺伝子発現情報のデータベースやtissue microarrayを用いてDNAメチル化やウィルス感染状況の検討を上咽頭癌について行い、成果が国際学術雑誌に掲載された。一方、日本におけるCOVID-19の流行により、中国への渡航ができない状況が続いており、現地調査を行えないため、研究は「やや遅れている」状況と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、上咽頭癌を含む頭頸部腫瘍について培養細胞やtissue microarrayを用いて、下記の解析を行い、炎症関連発がんにおけるエピゲノム異常発生機構について検討する。COVID-19の流行・ワクチン接種などの感染防止策の日中両国での進展状況により、現地調査を実施できるかを判断する。電子メールなどにより、海外共同研究者との連携は十分に保たれている。 1)エピゲノム異常の検出とがん抑制遺伝子機能解析(DNAメチル化率定量、microRNA発現解析、遺伝子発現解析、MTT assay、Migration/Invasion assay、等) 2)ウェスタンブロット法および免疫組織化学法によるタンパク発現の定量解析 3)酸化的DNA損傷指標8-oxodGおよびニトロ化DNA損傷8-ニトログアニンの解析
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の流行拡大により、海外での調査を行うことができなかったため。消耗品の購入や現地調査および成果発表に使用する予定である。
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Research Products
(17 results)