2020 Fiscal Year Research-status Report
International Joint Genome Epidemiology Study on Stress and Non-Communicable Diseases in Indonesia
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19KK0239
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古澤 拓郎 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (50422457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 貴文 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (20184533)
松平 一成 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任研究員 (60813441)
大橋 順 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (80301141)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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Keywords | ヒトゲノム多様性 / インドネシア / 非感染性疾患 / 生活習慣病 / うつ病 |
Outline of Annual Research Achievements |
非感染性疾患は先進国だけでなく途上国においても主要な死因・健康問題となっている。これらの非感染性疾患はいずれも環境要因(生活習慣、ストレスなど)と遺伝要因が絡んだ多因子疾患である。実験医学の進展により、遺伝要因の解明は日進月歩で進んできた。しかし、先進国で明らかにされたハイリスクの遺伝要因が、環境要因の異なる途上国・熱帯地域では疾患とは関連しないことがあることも明らかになっている。そこで本研究はインドネシアと日本の協力体制を構築し、遺伝要因と環境要因を統合的に研究するゲノム疫学を行うことである。 全体としては、新型コロナウイルス感染症の予想を超える拡大により、現地調査などを延期する一方、インターネットを通じた関係強化や、既存データを用いた分析を行った。 まずハサヌディン大学と京都大学との全学協定と過去の研究実績を活かし、本年度は、インドネシアにおける研究倫理審査の承認をうけて、日本でも京都大学で倫理審査を受けた。 また非感染性疾患の一つであるうつ病発症と社会経済状況との関係を解析し、患者に高所得者が多いことの論文を公表した(PLoS ONE)。 先行プロジェクトのデータを解析した結果は、ロンドン大学によるNCD Risk Factor Collaboration事業の一環として、コレステロール値、学童期の体格(BMI)、地域による肥満傾向の世界的変化について公表された。 さらに、ハサヌディン大学創立64周年記念のオンラインシンポジウムに招聘され、講演を行うことで、両大学の交流を深めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの拡大が深刻な影響を及ぼしている。特にインドネシアは東南アジア最悪の感染状況であり、カウンターパートのリソースの多くはコロナ対応に割かれている。そのため、現地調査を延期し、インターネットを通じた交流や、既存データの分析などを中心に行った。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、南スラウェシ州の中核病院における症例対照研究と、民族性の多様性を含めた横断研究からなる。フィールドワークと現地機関での共同実験を組み合わせて、非感染性疾患関連の測定と診断、ストレスマーカーの計測、ジェノタイピング、民族性・社会経済状況等に関する聞き取りを行う。ジェノタイピングは欧米日本等で生活習慣病との関連が指摘されたものと、申請チームがこれまでに研究したオセアニア集団で関連があった遺伝的多型を基に行う。最終的には探索的な多変量解析によって、これらの変数の中のリスク要因を特定する。特に(A)民族性や社会経済に注目した分析と、(B)ストレスおよび遺伝子型に注目した分析の結果に焦点を当てる。 コロナ状況が改善し次第、若手研究者を現地に派遣し、技術移転を行い、現地での調査を進展させる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大にともない、インドネシアでの調査が停止しており、渡航費用と調査関連費用を次年度に繰り越した。
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Research Products
(7 results)