2022 Fiscal Year Research-status Report
疫学と数理モデルを融合したコウモリ由来感染症のリスク分析
Project/Area Number |
19KK0242
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
大松 勉 東京農工大学, 農学部, 准教授 (60455392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久和 茂 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任教授 (30177943)
加藤 健太郎 東北大学, 農学研究科, 教授 (30401178)
宇根 ユミ 岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (40160303)
藤井 ひかる 岡山理科大学, 獣医学部, 助教 (10734444)
松山 亮太 酪農学園大学, 獣医学群, 助教 (00780008)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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Keywords | コウモリ / 疫学解析 / ウイルス / 細菌 / 寄生虫 / 遺伝子 / 抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度はフィリピンに渡航し、ルソン島中西部にあるフィリピン大学Land Grant Site、及びルソン島中部にあるMasungi Geo Reserveで現地疫学調査を行った。また、フィリピン側共同研究者が、フィリピン大学ロスバニョス校付近で捕獲調査を実施した。フィリピン大学Land Grant Siteでは6種119頭、Masungi Geo Reserveでは10種94頭、フィリピン大学ロスバニョス校付近では13種104頭、合計22種317頭を捕獲し、各種サンプルを採取した。これまでに、フィリピン大学ロスバニョス校付近で捕獲したコウモリから採取した口腔スワブおよび肛門スワブを対象にヒトに呼吸器疾患を引き起こす原因となるPteropine orthoreovirus(PRV)の検出をEgawaら(2017)の論文を基にしたReal-time PCRにより実施した。その結果、口腔スワブで6種9頭、肛門スワブで3種10頭、合計8種18頭でPRV特異遺伝子を検出した。今回の解析では1頭を除き、いずれもココウモリ(食虫性)からウイルス遺伝子が検出されており、コロナウイルス同様、PRVが様々なコウモリから検出されることが改めて確認され、様々なルートを介したヒトへの感染リスクの可能性が示唆された。また、同サンプルを対象にコロナウイルスのゲノム検出をORF1a、ORF1b、S 領域を対象としたRT-PCR法で実施したが、コロナウイルスゲノムは検出されなかった。現在、他の病原体を含め、すべてのサンプルからの病原体ゲノム検出を進め、リスク分析を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題はフィリピンで行う野外調査で捕獲したコウモリを対象に疫学解析を行うものである。新型コロナウイルス感染症により現地への渡航調査が令和4年度終盤での実施となったため、計画よりやや遅れて推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は年2回の渡航を計画している。時期及び調査場所についてはフィリピン側共同研究者と綿密に連絡を取って決定する。現地疫学調査で収集したサンプルより、ウイルス、細菌、及び寄生虫を対象としたゲノム又は抗体保有状況に関する疫学的解析を行うと共に、病原体拡散に関するリスク分析についても順次解析を行い、学会や論文等で公表する予定である。
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Causes of Carryover |
当初計画していたフィリピンでの現地疫学調査が新型コロナウイルス感染症によりずれ込んだことから、計画実行が遅れ、次年度使用額が発生した。発生した次年度使用額については、今年度の疫学調査の実施に充て、円滑な研究計画の実施に向けて使用する。
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Research Products
(1 results)