2021 Fiscal Year Research-status Report
Collaboration and comparison on twin analysis of genomic/epigenomic information and common diseases: Hungary and Japan
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19KK0244
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
本多 智佳 滋賀医科大学, 医学部, 客員准教授 (40625498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨澤 理恵 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (20584551)
酒井 規夫 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30314313)
渡邉 幹夫 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50294088)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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Keywords | 双生児研究 / 公衆衛生 |
Outline of Annual Research Achievements |
全ての疾病や健康状態は遺伝と環境の両方の影響を受けるが、双生児研究は、遺伝背景の統制された双生児を対象とすることで環境の影響をより正確に見ることを可能とするという優位性を持つ。ハンガリー双生児レジストリに登録されて同意取得後に採取された成人双生児の血液検体についてSNPとメチル化の解析を行い、生理学的検査や生化学検査、疫学調査、腸内細菌叢解析などの結果との関連について検討する。すでに日本で実施され、大阪大学ツインリサーチセンターが所有する成人双生児のSNP、メチル化データ及び生理学的検査や生化学検査、疫学調査データ、腸内細菌叢解析データを用いた研究の結果とも比較を行い、人種による差異についても検討することで新たな知見を得ることを目指す。 今年度はハンガリーに赴いて既存検体のゲノム解析を行い、データベース化を進める計画であったが、昨年度からの世界的なCOVIDの流行とまん延の影響が強く、および日本国内においても度重なる緊急事態宣言やまん延防止等重点措置により、渡航を中心とした種々の研究活動が制限された。したがって、国内での作業で完結するもの、ならびに遠隔的に海外の共同研究者と実施可能な研究活動を中心として実施した。具体的には共同研究者との遠隔で研究検討の継続的実施や、大阪大学ないでもデータ解析作業、大阪大学内に構築しているデータベースをハンガリーでも使用可能とするための検討や作業、及び今後の比較研究の発展に寄与する解析データの追加実施などである。当初の計画であったSNP、メチル化解析に加えて、RNAseq、全ゲノム 解析を含めたエピゲノム 情報関連のデータ分析は今年度においては日本のデータに関するものに限定し、より広範な解析の可能性を検討するとともに、生体情報に関するデータ解析をハンガリーチームを交えて検討を行い、論文にまとめる作業を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヨーロッパにおける継続的蔓延状況や、次々と新株が出現することによる影響ならびに研究関連資材の不足など、当初計画していた予定で人的交流やハンガリー側の血液検体解析を実施するに至っていない。そのため、既存データを用いた共同研究を行っている結果、若干の遅れが生じている。しかしながら、2022年に入ってからの渡航制限緩和の流れを受けて、すでにハンガリー側からの研究者受け入れが予定されており、日本側からも渡航、検体解析の準備を進めているため、遅れは十分に回復できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は海外の共同研究機関を有すること、現地での実施か必要な検体の解析を伴っていることから、この2年間におよぶ世界的なCOVID流行とそれに関連した人的交流制限ならびに研究消耗品の供給不足の影響を受けた形となっている。そのことにより、若干の計画遂行の遅れが生じているものの、ハンガリー側の研究者と継続した既存データ解析や議論は活発に行うことが出来ている。また、一方で本研究が解析対象とする検体の解析について、当初計画にあった生活習慣病に加えてCOVID研究に新たな知見を提供できる可能性があるため、ハンガリー側と検討を進めているところである。 今後の計画として、本研究の当初計画としての流れである検体解析、データ分析、データベース化という点の変更はないものの、対象疾患を生活習慣病からCOVID関連症状に拡大する可能性がある。
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Causes of Carryover |
COVIDの世界的な継続的蔓延状況や、次々と新株が出現することによる影響があり、研究関連資材の不足や渡航の大幅な制限などのため、当初計画していた人的交流やハンガリー側の血液検体解析実施が多少遅れていることにより次年度使用額が生じた。しかしながら、2022年に入ってからの渡航制限大幅緩和の流れを受けて、すでにハンガリー側からの研究者受け入れや日本側からの派遣が予定されており、検体解析も合わせて推進することで使用する計画である。
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