2022 Fiscal Year Research-status Report
適応的な触覚提示によるVR体験の没入感向上と動作範囲の削減
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19KK0258
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤田 和之 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (70835545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高嶋 和毅 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (60533461)
北村 喜文 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (80294023)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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Keywords | バーチャルリアリティ / 触覚提示 / リダイレクテッドウォーキング / ルームスケールVR |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度まで,VR空間内での開扉動作中にユーザの進行方向を操作するリダイレクション手法であるRedirectedDoorsを検討してきた.本年度では,ユーザの歩行を伴うルームスケールVR体験にこの手法を適用するため,ユーザの任意の位置で開扉時の触覚フィードバックを与えるために,物理的なドアノブを搭載したロボットを複数台作製した.次に,これらのロボットをユーザの歩行にあわせて適応的に制御するためのアルゴリズムを実装した.さらに,これらの開扉動作を通してユーザの歩行を小さな物理空間に圧縮するために,各開扉についてリダイレクションのゲイン(進行方向を操作する倍率)を適応的に決定するアルゴリズムを実装した.これらのシステムの評価のため,6種類のバーチャル環境を想定したウォークスルー体験のシミュレーションスタディを実施した.この結果から,本システムのリダイレクションの空間効率とロボット配置の遅延を明らかにし,それによりユーザの歩行速度,経路,ロボットの数に関する利用指針を導いた.さらに,実機のシステムを用いたウォークスルー体験のアプリケーションを実装し,ユーザースタディ(N=12)を実施した.その結果,本システムが限られたプレイエリア内で体験を完結させられることを確認し,本システムの有用性が実証された.また,主観的フィードバックから,ドアが開く臨場感が向上していることが明らかになった一方で,ロボットの発する音等のシステムのいくつかの改善点も指摘された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスに伴う渡航制限により共同研究先への渡航計画は遅延しているものの,リモート主体で研究を進め,本年度も概ね研究を計画通り進めることができ,1件の国際会議論文および2件の国際会議デモ発表を実施できた.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までの成果では,触覚フィードバック提示のための物理プロップは開扉動作に特化したものであった.このため今後は,表面のスクロールが可能な可動型触覚提示デバイスと,これの制御アルゴリズムについて検討していく.
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Causes of Carryover |
共同研究先への渡航を主な使途として予定していたものの,新型コロナウイルスによる渡航制限により渡航計画が遅延し,次年度使用額が生じた.
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