2020 Fiscal Year Research-status Report
Telemetric mouthguard sensor system with biocompatible materials and MEMS techniques for unconstrained human assessment
Project/Area Number |
19KK0259
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
三林 浩二 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (40307236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 貴博 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 講師 (50409637)
飯谷 健太 早稲田大学, 理工学術院, 日本学術振興会特別研究員 (00853045)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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Keywords | マウスガード / 口腔情報 / MEMS / 無線計測 / センサ |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、豪グリフィス大・Dr. DAOとの国際共同研究において、歯科及び医療に資する身体・精神状態を無拘束にて連続計測する新規なシステムを世界に先駆けて構築することを目標として、まずBluetooth無線計測器を実装した「無拘束式マウスピース型センサシステム」を、申請者らの「生体適合性材料技術」「無線計測技術」「医療デバイス」「生体計測」の各知識と技術と、そしてDr. DAOが有するMEMSデバイス技術および豪州での生体計測の知見をもとに開発し、そのセンサシステムによる咬合機能・口腔温の生体計測を日本と豪州にて実施し、センサシステムの有効性を確認すると共に、世界および多様な領域での利用を考慮し、展開を図る。 2020年度には、前年度の設計をもとにBluetooth無拘束式マウスピース型センサシステムの開発を行うため、新型コロナウイルスの影響による渡航による共同研究が実施できなかったことから、オンライン会議による打合せおよび国内での活動にて研究を進展させた。まず前年度の打合せ内容に基づき、生体適合性・金属成膜性・熱成形性・熱溶着性に優れたPETGシート材料によるデバイス技術をもとにシート型温度センサを構築し、さらにBluetooth小型無線・温度測定回路・小型電池等を組み合わせたマウスピース型温度センサを一次試作した。なお、医科歯科大学にて倫理承認(2020/4-2023/3)の取得を完了し、この倫理承認のもと、試作したセンサによる口腔内温度計測に関する実験を行い、唾液が漏液することなく安定に駆動し、無線計測を確認した。またグリフィス大学のDr. Daoとのオンライン会議により、PETGシート材料を用いた成膜技術とMEMS技術による薄膜圧力センサの作製について検討した。なお関連する査読付き学術論文1件、学術会議にて医科歯科大学大学院生(口頭:3件)にて研究成果を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度には、前年度の設計をもとにBluetooth無拘束式マウスピース型センサシステムの開発を行うため、2020年度後半に荒川と大学院学生が、また2020年度末(3月頃)に三林が渡豪、そして豪州グリフィス大学Dr. Dzung Daoが来日し、それぞれ対面による研究実施を予定していたが、新型コロナウイルスの影響による渡航による共同研究が実施できず、オンライン会議による打合せおよび国内での研究を進展させた。まず前年度の打合せ内容に基づき、生体適合性・金属成膜性・熱成形性・熱溶着性に優れたPETGシート材料によるデバイス技術をもとに、シート型の温度センサを構築し、センサの基礎特性を調べた。また、熱成形性と熱溶着性を有するマウスシート材料にて温度センサを実装し、「Bluetooth小型無線装置」「温度測定小型回路」「小型電池」「生体適合性材料」「医療デバイス加工技術」を組み合わせた新規なマウスピース型温度センサの一次試作を行った。なお、医科歯科大学での倫理承認手続きを2020年2月に申請し、医科歯科大学にて倫理承認(2020/4-2023/3)を取得した。この倫理承認のもと、一次試作したマウスピース型温度センサによる口腔内での温度計測に関する予備実験を行ったところ、唾液がセンサ及び回路、電池部に漏液することなく安定に駆動し、Bluetooth無線通信にてPC(又はPad)での遠隔計測が可能であることを確認した。またグリフィス大学のDr. Daoとのオンライン会議により、PETGシート材料をもとに、成膜技術とMEMS技術にて薄膜の圧力センサの構築について検討を実施した。なお関連する学術論文1件(Anal. Chem. 2020)を、共同研究者の荒川が筆頭著者として発表し、他にも医科歯科大学大学院生3名(内1名は留学生)が国内の学術会議にて研究成果を口頭にて発表した(3件)。
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Strategy for Future Research Activity |
三年目(2021年度)には国内での研究活動と共に、コロナ禍では豪グリフィス大Dr. Dzung DAOとのオンラインでの検討を継続し、渡航が可能となり次第、豪州および日本での対面での共同研究を展開する。まず、前年度にBluetooth小型無線装置・温度測定小型回路・小型電池・生体適合性材料・医療デバイス加工技術を組み合わせて一次試作したマウスピース型温度センサについて、医科歯科大学での倫理承認(2020/4-2023/3)のもと、異なる条件(環境、飲食など)での口腔内での温度モニタリングを実施し、Bluetooth無線通信によるPC(又はPad)での無拘束計測の有効性を確認する。またオンライン会議により、グリフィス大学のDr. DaoグループとPETGシート材料をもとに、成膜技術とMEMS技術にて薄膜の圧力センサについて、グリフィス大が有するシミュレーション用ソフトを用いた解析を行う。さらに豪州への渡航が可能なり次第、共同研究者の若手研究者である飯谷と大学院生、加えて新規分担者である當麻が、一次試作したマウスピース型センサを日本よりグリフィス大に持参して渡豪し、グリフィス大にてDr. DAOグループと口腔温の簡易計測を行い、性能と有効性を確認し、課題抽出を行う。そして2021年度年度末にDr. DAOが来日し、多様な石膏歯型の作製について検討を行う。なお三林の監修本「テレワーク社会を支えるリモートセンシング」CMC出版にて、「第1章:マウスガード型センサおよびコントローラー」にて研究内容を解説する。その他、三林が招待講演にて本年6月の国際会議IMCSにてマウスピース型センサに関する成果を、また本年11月に豪州ブリスベンで開催予定の国際会議SFT-21に日豪の成果として共同研究内容を口頭(三林)にて発表、さらに医科歯科大学大学院生が国内の学術会議で成果を発表する予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度は当初、新型コロナウイルスの影響を考慮しながら、年度の後半に荒川と大学院学生が渡豪し、グリフィス大にてDr.DAOと共に薄膜の圧力センサと温度センサを構築し、個々のセンサ特性を調べ、国内での解析結果をもとに、年度末(3月頃)に三林が渡豪し、グリフィス大にてセンサの課題説明と対策検討を実施する予定としていたが、コロナ禍で渡航ができず、「教員の渡航費用」や「若手研究者の豪州での長期渡航育成」に充当する予算が支出できなかった。本年度(2021年度)では本プロジェクトを推進するために、新たに當麻を分担研究者に加えてデバイス開発を加速すると共に、海外への渡航が可能となり次第、本課題の目的でもある若手による共同研究を推進するため、若手研究者である飯谷そして大学院留学生、そして新規分担者である當麻を豪州に派遣し、渡航費用として予算を支出し、研究を加速させる。加えて、豪州グリフィス大学よりDr. Daoを年度末に招聘し、予算を支出しながら、多様な石膏歯型の作製について若手研究者との対面での検討を実施することで、共同研究を進展させる。
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Research Products
(5 results)