2022 Fiscal Year Research-status Report
海洋プラスチックごみ問題の解決に向けた世界社会生態系モデルの構築とシナリオ分析
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19KK0271
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
上原 拓郎 立命館大学, 政策科学部, 教授 (60384757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柘植 隆宏 上智大学, 地球環境学研究科, 教授 (70363778)
桜井 良 立命館大学, 政策科学部, 准教授 (40747284)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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Keywords | 海洋プラスチックごみ / STIRPAT / プラスチック汚染 / 計量経済モデル / 予測 / 北海道知床地域 / 出版社 / システムダイナミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
上原はDr. CordierおよびDr. Yanとともに主にシステムダイナミクス(SD)と産業連関表(IO)を結合させたSD/IOモデルの構築を行った。研究は分担して実施し、上原は研究デザインの随時更新、SD/IOモデルを用いたシナリオ分析のデザイン、シナリオ分析の基礎データとなる海洋プラスチックごみの除去にかかる費用の文献調査による取りまとめ等を行った。Dr.Cordierは海洋プラスチックごみ除去に関わる費用をセクター間(産業、消費者を含む)での配分原則の整理を行うとともに、IOをSDに結合するための準備作業を行った。Dr.YanはSD/IOモデルの中に組み込むための、海洋プラスチックごみの排出予測を行うための計量経済モデル、STIRPATモデルを構築した。STIRPATモデルに関しては、本モデル単体でのシナリオ分析等を実施し、その成果は現在査読中である。 桜井は海洋プラスチック問題について理解を深めるために、北海道知床地域で現地の自然保護に携わる団体職員に聞き取り調査を実施した。また、海洋プラスチック問題に関する書籍の出版状況を東京都の出版社を訪れ、聞き取り調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本課題はコロナが発生した2019年度から開始しており、海外渡航が制限されるなど、国際共同研究が難しい状況が続いてきた。メールやオンライン会議等の代替手段での研究推進、また、進める研究項目の修正等により、研究の推進を行ってきたが当初予定していたよりも進捗は依然として遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
上原はDr.CordierおよびDr.YanとともにSD/IOモデルの完成、そして論文執筆までを今年度中に実施することを目指す。また、本課題の最終年度であり、今後の研究を展開するための準備も始めており、例えばニュージーランドの研究者と今後の共同研究の可能性について議論しているところであり、本課題に資する議論を行いつつ、今後にもつなげていく。 柘植はプラスチック消費大国である日本と中国で、使い捨てプラスチックの使用に関するアンケート調査を実施し、どうすれば使い捨てプラスチックの使用を減らすことができるかを調査する。このアンケート調査では、特にナッジ(行動科学の知見を活用して、より良い選択を自発的に取れるように手助けする手法)に注目し、その効果を検証する。 桜井は前年度に引き続き、海洋プラスチック問題に関する国内外の情報を学会や研究者交流を通して収集し、沿岸域の視察も行い、本課題研究の推進に資する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の終結による海外出張を見越していたが、引き続きコロナ禍で移動が制限されたため。
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