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2019 Fiscal Year Research-status Report

Green tide control at Great Lakes using possible grazers

Research Project

Project/Area Number 19KK0273
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

山室 真澄  東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (80344208)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 管原 庄吾  島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 講師 (30721302)
小室 隆  国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, 専任研究員 (40782561)
Project Period (FY) 2019-10-07 – 2025-03-31
Keywords五大湖 / 底生緑藻 / 異常繁茂 / シオグサ / 食物連鎖
Outline of Annual Research Achievements

アメリカでは本研究の対象である五大湖だけでなく、かつて世界3位の透明度を誇ったタホ湖でもGreentideが発生して深刻な問題になっている。このためアメリカ、ニュージーランド、ロシア、ドイツなど複数の国の研究者が集まってGreen tide問題の現状認識と解決策を議論するワークショップ「Littoral greening: A workshop to understand the drivers of attached Filamentous Algal Blooms in pristine lakes」がNSFの助成を得て、2019年10月にタホ湖畔で開催された。研究代表者はこのワークショップに招待され、本研究の紹介と、これまでにロシアのバイカル湖と日本の宍道湖で異常繁茂した底生緑藻の安定同位体比の結果や、宍道湖での異常繁茂の原因に関する生活史を踏まえた仮説を紹介した。本研究ではミネソタ大学准教授のTed Ozersky博士が共同研究者として現地での野外調査を展開するが、Ozersky博士もワークショップに参加していて、本研究の進め方について予備的な議論や、現地の自然条件や必要装備(潜水作業に必要なスーツの厚さなど)に関する情報の提供を受けた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究代表者はこれまでに、五大湖のような大湖沼であるバイカル湖で異常増殖している底生緑藻と、汽水湖だが五大湖と同じシオグサ類が異常繁茂している宍道湖の底生緑藻をサンプリングしている。今年度はそれらの炭素・窒素安定同位体比や炭素・窒素濃度を分析した。その結果、両湖沼とも、異常増殖している状況では、無機炭素が成長の律速になっていない可能性が見いだされた。窒素源については、安定同位体比からは両湖沼とも一定の傾向が認められなかった。
底生緑藻は初期生活史において微細藻類サイズで浮遊する。この時に補食者がいれば異常増殖は抑制される。このような観点から、シオグサ類の生活史と水温などの環境要因との関係に関するレビューを行った。
五大湖では底生緑藻の異常繁茂の原因としてリン増加の可能性が指摘されている。一方、一部の底生緑藻は硫酸還元菌に有機物を供給することで硫化水素を発生しやすくすることが報告されている。本研究では、この硫化水素がリンの溶出も増加させる可能性を検討するため、予備的に宍道湖のシオグサを使って溶出実験を試みた。結果は解析中である。

Strategy for Future Research Activity

来年度は6月にウイスコンシン州マディソンで開催されるASLO Summer Meetingにおいて、底生緑藻の異常増殖をテーマにしたセッションに登壇し、本研究で今年度に得られた成果を発表するとともに、関連情報を収集する。合わせて現地協力者と8月に予定している現地調査の打ち合わせを行う。
7月には昨年10月に参加したワークショップの成果を共著で国際誌に投稿する。このため研究協力者を含め、アメリカ、ニュージーランド、ロシア、ドイツなど複数の国の研究者と、主にメールによる議論を行う。
8月には五大湖のシオグサが異常繁茂している水域において、現地調査を行う。現場では水中の硫化水素濃度測定用のサンプル作成、シオグサ類の炭素代謝の指標となる安定同位体比を分析するサンプルの採取、種類を同定するためのDNAサンプルの採取を行う。また他のシオグサ異常繁茂地でも簡易調査や視察を行う。合わせて、現地の実験設備も見学し、来年度以降の現地調査で可能な分析項目について、設備担当者を交えて相談する。
帰国後は水中の硫化水素濃度や堆積物中の硫黄、カルシウム、鉄、マンガンなどの濃度の分析、生物試料の安定同位体比、遺伝子解析などを行う。それらの結果を踏まえて、年度末までに予備調査結果を報告書にまとめる。

Causes of Carryover

今年度に打ち合わせのために使用する予定だった旅費が、アメリカのNSFから招待されることになり、不要になった。現地で共同研究者と相談したところ、底生緑藻の異常繁茂の状態が、比較しようとしている島根県・宍道湖とかなり異なることがわかったので、研究分担者とともに、異常繁茂が起こっている来年度の夏に現地を視察してから研究詳細を決めた方がよいと考え、今年度予定していた予備実験などを中止し、来年度に持ち越した。
一方で、バイカル湖や宍道湖の異常繁茂底生緑藻のサンプルは既に入手済みだったので、それらの分析を先行して行ったことから、研究の進捗に悪影響は生じていない。

Research Products

(1 results)

All Other

All Int'l Joint Research (1 results)

  • [Int'l Joint Research] ミネソタ大学(米国)

    • Country Name
      U.S.A.
    • Counterpart Institution
      ミネソタ大学

URL: 

Published: 2021-01-27  

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