2021 Fiscal Year Research-status Report
Comparative study on the privatization of the Finnish eldercare system
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19KK0299
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高橋 絵里香 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (90706912)
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Project Period (FY) |
2020 – 2022
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Keywords | 高齢者ケア / フィンランド / 民営化 / 私事化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本国際共同研究は、申請者がフィンランド西南地方の村落部において遂行している高齢者ケアについての実地調査の成果をヘルシンキ大のヴレーデ教授のCOE研究グループの調査成果と比較・検討するものである。 2020年8月から年度をまたいで2021年9月までフィンランドに滞在し、ヘルシンキ大学に所属してヴレーデ教授の組織するフィンランドの高齢者ケアをテーマとする広域研究プロジェクトCoE AgeCareに関わってきた。具体的には、COEのウィンタースクールにおいて研究発表を行い、グループにかかわる多くの研究者と意見交換を行った。 その結果として、、幾つかの比較研究の成果を国際学会で発表してきた。まず、International Society for Ethnology and Folkloreの研究大会では、トゥルク大学のヘレナ・ルオツサラ教授とインフォーマルケアに対する行政支援の在り方についての地域差を比較検討する発表を行った。また、International Union of Anthropological and Ethnological Sciencesでは、ラップランド大学のシャナイ・ベグム氏と共に、環境の変動についての認識や、高齢者の生活に与える影響の地域的特性について、共同発表をおこなった。さらに、COEメンバーからの助言を得て分担執筆を行った編著では、親族介護支援制度における介護者の認定過程がケアをめぐる地域的な不平等をどのように補っているのか、その実践自体が家族・親族の在り方をどのように形作っているのかを考察した。 さらに、都市部と地方における退職後の居住パターンの違いについても共同研究を進めており、高齢者の住環境をめぐるエージェンシーと自己決定、コミュニティの形成について、タンペレ大のオウティ・ヨランキ教授と調査データの比較検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行が続いていたため、COEの研究会もオンライン開催に限られていた。やはり、対面での議論と比べると、共同研究に発展させ、議論を深めていくことが難しかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度にはCOEの研究プロジェクトが主催するMid-term Congressが予定されており、これは対面で参加する予定である。こうした機会を利用して現地研究者との議論を深め、研究成果に繋げていきたい。
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