2020 Fiscal Year Research-status Report
中国新石器時代から初期王朝時代における土器と栽培植物利用に関する学際研究
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19KK0300
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
久保田 慎二 金沢大学, 国際文化資源学研究センター, 特任助教 (00609901)
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Project Period (FY) |
2020 – 2022
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Keywords | 土器 / 炭化種子 / 穀物 / 食文化 / 雑穀 / 学際研究 / 夏王朝 / 二里頭文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の予定では、2020年度に渡航を実施する予定であったが、イギリスおよび日本におけるCOVID-19の蔓延により、現在まで延期せざるを得ない状況となった。計画の中で計上した予算の多くは渡航費と滞在費であり、その他の旅費および消耗品費、分析費も渡航後における研究に関わるものである。したがって、渡航後まで一定額を確保しておく必要があり、2020年度には使用しなかった。 イギリスへの渡航は叶わなかったが、それに向けた基礎作業を進めている。具体的には初期王朝期の黄河流域を中心とする地域の遺跡から出土した炭化植物種子のデータベース構築である。2020年度に行った作業を通してデータベースの枠組みを完成し、大まかな炭化種子の時間軸、空間軸における出土傾向を把握することが可能となった。これにより、新石器時代から初期王朝時代への穀物組成の多様化の過程を理解し、さらに現代にも繋がるムギ中心の穀物組成への移行という一連の流れを描き出すことが可能となりつつある。 また、初期王朝期に相当する二里頭文化の土器使用痕の情報整理も合わせて進めており、土器を使った雑穀調理の傾向が分かりつつある。出土炭化種子の傾向と土器使用痕の分析結果を組み合わせて、当時の主食調理の様相を復元できると考える。 今後は、上記に加えてロンドン大学および北京大学の共同研究者より最新の情報を提供してもらい、さらに民族誌の成果などを参考にしながら当初の目標を達成していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ロンドンへの渡航が実施されていない点が一番の理由である。しかし、これについてはCOVID-19の蔓延が下火になり次第、2021年度中に行う予定である。その他の基礎作業については、順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の流行状況が好転し、ロンドン大学における研究が可能になり次第、自らの予定との調整を行ったうえでイギリスへの渡航を行う。それまでは受け入れ先のロンドン大学考古学研究所のドリアン・フラー教授との連絡を保持し、共同研究を進める。なお、昨年度末以来のイギリスにおけるワクチン普及により感染状況が劇的に改善しているため、渡航を前提として準備を進めるようにする。 また、渡航前の作業としては、継続して出土炭化種子のデータベースの構築を行い、また土器使用痕分析の情報整理を進める。 以上を今後の研究計画とする。
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Research Products
(10 results)