2023 Fiscal Year Annual Research Report
Developmental psychological study about children's social cognition
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19KK0309
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
林 創 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (80437178)
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Project Period (FY) |
2019 – 2023
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Keywords | 子ども / 自己呈示 |
Outline of Annual Research Achievements |
本国際共同研究では,子どもを対象に社会性の発達を国際的な視点から検討するものであった。今年度は,新型コロナウイルスの世界的な感染による外務省および所属大学からの渡航禁止が解除され,ようやく諸準備が整い,イギリスに渡航することができた。具体的には,自分の本当の能力を偽って表出するという意味で,状況に応じた嘘の一つとも考えられる「自己呈示」に焦点を当て,児童期の子どもを対象に,イギリスの研究者と共同研究を行った。私たちは,他者からの評価を高めよう (自己高揚) としたり,控えめに見せよう (自己卑下) としたりして,自分の印象を操作する「自己呈示」を頻繁に行っている。共同研究の結果,自己呈示者に対する能力と性格の評価は,児童期に大きな変化があり,自己呈示者のふだんの実力 (得意であるか,それとも苦手であるか) が両者の評価に影響した。とくに,ふだん苦手な状況において,7~8歳頃までの子どもは、他者が自己高揚をしたときの方が自己卑下をしたときよりも,その人の能力を高く評価する傾向が見られた。この年齢を過ぎると,他者が自己高揚をしたときの方が自己卑下をしたときより,その人の性格を低く評価する様子が顕著に見られた。これらの結果について,東洋と西洋の謙遜等にかかわる文化差の知見などを踏まえて,多面的に考察した。以上の成果をまとめた国際共著論文が,発達心理学の国際学術雑誌(Journal of Experimental Child Psychology)に掲載された。
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[Int'l Joint Research] サセックス大学(英国)2023
Year and Date
2023-04-23 – 2024-02-08
Country Name
UNITED KINGDOM
Counterpart Institution
サセックス大学
Co-investigator Overseas
ロビン・バナジー
Department
心理学部
Job Title
教授
Change Date
2022年7月14日
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