2020 Fiscal Year Research-status Report
クリエイターへの正当な対価還元のための「情報透明性」に関する比較法的研究
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19KK0311
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Research Institution | Dokkyo University |
Principal Investigator |
張 睿暎 獨協大学, 法学部, 教授 (80434231)
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Project Period (FY) |
2020 – 2021
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Keywords | 正当な対価 / 欧州デジタル単一市場 / 著作権指令 / 情報透明性 / クリエーター |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年3月22日に海外共同研究先であるイタリアに渡航した。なお、入国後2週間の自宅隔離があったため、2020年度中に海外共同研究者と対面はしていない。 2021年4月に海外共同研究者に会い、今後の共同研究の打ち合わせをした。本格的な研究は2021年度から開始することになる。 2019年6月7日に発効した欧州の「デジタル単一市場における著作権に関する指令(DSM著作権指令)」19条1項は、著作者および実演家に対する「透明性の義務」を加盟国に課しており、EU会員国は本指令を2021年6月7日までに国内法化することになる。本国際共同研究は、①DSM著作権指令を受けて欧州各国が行う立法および政策の動き、②「デジタル単一市場」を構築しようとする欧州にとってのDSM著作権指令の意義とインパクト、③欧州のコンテンツ市場の動向や指令の国内法化以降の各会員国内の動き、④多国籍オンラインプラットフォームの欧州域内におけるDSM著作権指令への対応や関連法制、等を検討することで、クリエイターへの正当な対価還元の前提となる「情報透明性」を、巨視的な観点で比較法的に検討し、基課題との相乗効果を図ることを目的とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年3月22日に海外共同研究先であるイタリアに渡航し、新型コロナウィルス感染症に対するイタリア政府の入国規制に従って、2週間の自宅隔離を行った。当初の予定どおりに、2021年4月から研究を開始する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
欧州における新型コロナウィルス感染症の感染状況を鑑みながら、海外共同研究者らとの研究交流、欧州各国でのヒアリング実施及び研究ネットワーク開拓、各種学会参加による最新研究情報の入手という当初の研究計画をできるだけ予定どおりに遂行するように努める。 概ねの計画は次の通りである。 (2021年4-6月)トリエステ大学に訪問研究者として着任し、研究を開始する。感染状況を注視しながら、主にオンラインミーティングやオンライン学会、イタリア国内で開催される学会に参加する。(7-9月)アムステルダム大学情報法研究所及びストックホルム大学知財研究所にて短期研究交流をし、リスボンにて国際著作権法学会年次研究大会に参加する。中間報告の論文を投稿する。(10-12月)ミュンヘン・マックスプランク研究所にて短期研究交流、ダブリン及びロンドンにてヒアリングを実施する。(2022年1-3月)ストラスブール大学知的財産研究所にて短期研究交流など、を予定している。ただし、新型コロナウィルス感染症によるに影響により渡航制限がかかる可能性もあるため、オンライン研究も並行する。
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