2020 Fiscal Year Research-status Report
刑務所出所者等の主体的な社会参加とそれを促進するための支援に関する日仏比較研究
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19KK0312
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
安田 恵美 國學院大學, 法学部, 准教授 (90757907)
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Project Period (FY) |
2020 – 2022
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Keywords | 高齢受刑者 / ヴァルネラビリティ / 社会参加 / 社会的排除 / 施設内処遇 / 社会内処遇 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初は2020年10月に渡仏し、ランス大学での研究を始める予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、2020年度内の渡航が叶わなかった。また、フランスの大学における研究環境等々を考慮して、共同研究者と議論を重ねた結果、2021年5月から9月末までは、フランス司法省行刑局Laboitoire de recherche et d'innovationにおいて、Caroline TOURAUT氏らと共同研究を行うこととし、10月から3月まで、ランス大学に滞在する予定である。 2020年度は、渡仏に向けてTOURAUT氏らとのZOOM会議やメールでのやりとり、VISAの申請等渡仏に向けた準備作業を行った。とりわけ、zoom会議では、日本の高齢者犯罪および高齢受刑者の状況を紹介したうえで、日仏の処遇上の配慮や自由刑の執行停止の運用について意見交換を行い、お互いの問題関心を確認する作業を行うことができた。また、フランスにおいてスムーズに日本との比較研究を行うにあたり、日本における高齢犯罪者・受刑者の問題状況を整理する作業を行った。フランスにおける社会参加insertion socialeをめぐる議論から示唆を受けて、日本の「司法と福祉の連携」の現状の整理を試みた論文を、2021年1月公刊の金澤真理・安田恵美・髙橋康史『再犯防止から社会参加へーヴァルネラビリティから捉える高齢者犯罪』に掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、渡仏のスケジュールが変更となり、それに伴い、フランスで行う予定であった研究に着手できていない状況である。そのため、2020年度は渡仏に向けた準備をするにとどまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年5月に渡仏し、司法省での研究を開始している。司法省では、主に法制度や実務について把握するとともに、各種データをもとに、高齢受刑者や障がいがある受刑者に対する処遇の実態について日仏比較研究を行う予定である。また、zoom等を用いたインタビューや、日仏での研究会の実施を行うことも視野に入れている。10月以降は、より理論的な検討と、実務家等との意見交換を行いながら、日本語・フランス語でのアウトプットの準備を進める予定である。
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Research Products
(2 results)