2021 Fiscal Year Research-status Report
刑務所出所者等の主体的な社会参加とそれを促進するための支援に関する日仏比較研究
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19KK0312
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
安田 恵美 國學院大學, 法学部, 准教授 (90757907)
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Project Period (FY) |
2020 – 2022
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Keywords | 高齢受刑者 / ヴァルネラビリティ / 社会参加 / 社会的排除 / 施設内処遇 / 社会内処遇 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年5月から2022年3月までフランスに滞在し、フランス司法省行刑局およびランス大学法学部において研究活動を行った。
① 司法行刑局では、行刑局の「調査研究と社会的イノベーションラボ」に、2021年5月から2022年3月まで所属した。パリに滞在している期間(2021年5月から2021年9月末まで)は、しばしば行刑局内の研究室に滞在し、資料収集するとともに各セクションの担当者へのヒアリングや意見交換を行った。また、2021年6月には、行刑局長の前で研究プロジェクトについて報告を行い、意見交換を行った。同ラボでは、研究手法に関する研究もおこなわれており、再犯に関する研究手法についての報告書を、行刑局から許可を得たうえで日本語に翻訳し、国学院法学にて公表した。また、行刑局において、職員向けに開催されているオンライン会議やイベントにも参加する許可を得て、参加した。2021年9月以降には、行刑局の協力のもと、フランス国内の刑事施設での高齢者収容ユニット、医療、介護・介助、出所後の生活支援等についての実態調査を行った。日程が合わず、実現できなかった調査もあり、それらについては、今後再度渡仏し、実施する予定である。
② ランス大学では、HERZOG=EVANS教授に受け入れ研究者となっていただき、同教授が担当されている大学院の講義(現在は大学院の講義のみご担当)すべてへの出席許可をえて、一部出席した(上記記載の調査を重なった場合は、調査を優先した)。また、同教授とは定期的に理論的検討および研究状況について意見交換するとともに、同大学においても研究報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の影響を受けて、当初の計画よりも変更せざるを得なかった箇所は多々ある。しかしその中でも、フランス行刑局およびHERZOG=EVANS教授のご助力のおかげでフランスにおける実態調査はいまのことろ順調に進んでおり、あと数件の調査を残すのみである。また、現在アウトプットに向けて準備を進めており、こちらも現在のところ順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後行うべき作業は以下の3点である。 ① フランス長期滞在中に実現することができなかった、あるいは補充的に行う必要がある実態調査の実施 ② 得られたデータの分析作業 ③ アウトプットに向けた作業(論文執筆、プレゼンテーション) である。2022年5月段階では、zoomやSlackでフランス在住の実務家・研究者と連絡を取りながら研究を進めているが、2022年夏には再度渡仏する予定である。その際、司法省行刑局長の前でのプレゼンテーションを行い、その後2022年下旬においては同局に提出する報告書(・研究ノート)の作成(仏語)する予定である。
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Research Products
(2 results)