2020 Fiscal Year Research-status Report
プロソディ変調による2者間情動伝染と対人印象変容の国際文化比較
Project/Area Number |
19KK0313
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
北村 美穂 早稲田大学, 高等研究所, その他(招聘研究員) (80748799)
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Project Period (FY) |
2020 – 2022
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Keywords | 音声プロソディ / 印象形成 / コミュニケーション / 感情伝播 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者が実施中の基課題では、発話の音韻的特徴を特定の感情方向にリアルタイムで変化させるシステムを用いて、二者間の感情変化並びに印象変容について心理・生理学的側面からアプローチしている。コミュニケーション場面では、欧米圏に比べアジア圏でより音声が重要視される可能性がこれまで指摘されており、二者間音声コミュニケーションの国際比較は重要な発展的研究課題である。そこで、本課題では対人印象ならびに社会的コミュニケーション研究の拠点であるプリンストン大学と連携し、リアルタイムでのプロソディ変容が情動伝染並びに印象形成に及ぼす影響の国際文化比較研究をおこなう。本年は国際比較に必要な日本人を対象とした実験を国内で終える予定であったが、新型コロナウィルスの蔓延に伴い対面二者の会話実験が全面的に中止となり、データの取得が中断された。ウィルス蔓延前に取得していた一部のデータについて、詳細な解析を行い、1)発話内容の理解は、話者自身に関係のない内容であっても話者のプロソディの感情価に左右される(第3者情報理解へのプロソディの影響)、並びに2)二者間での同時変調は対話者の感情変化の推定と会話内容への印象に影響を与えることを確認した。1)ついては国際誌へ既に投稿し条件付き採択の審査結果を得て、また2)については国内シンポジウムにて成果発表を行った。また、研究の社会還元活動の一つとして、感情コミュニケーションに関する様々な研究テーマ・研究手法を扱う研究者が一堂に会して議論ができる場として「感情コミュニケーション研究会」を立ち上げ、第1回キックオフシンポジウムを開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルスの蔓延により対面二者の会話実験が全面的に中止となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
感染状況の好転、並びにワクチンの広がりを待ち、実験を速やかに再開する。データ取得方法ならびに解析方法について、蔓延以前に取得していたデータの再解析を通して最適化を進めており、再開後には、速やかなデータ取得と解析ができるよう引き続き準備を進めていく。また共同研究先にもこれらの手法を共有し、渡米後すぐに着手できるようオンラインでのミーティングを実施し協力体制を整える。
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Research Products
(4 results)