2022 Fiscal Year Research-status Report
20世紀前半のイベリア半島政治史における「権威主義的文脈」
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19KK0329
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
武藤 祥 関西学院大学, 法学部, 教授 (40508363)
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Project Period (FY) |
2020 – 2023
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Keywords | 権威主義体制 / イベリア半島政治史 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、共同研究者の支援を受け、海外に向けて研究成果を積極的に発信した。2022年12月にはポルトガル・リスボンで開催された国際シンポジウム(共同研究者であるジョルジア・プリオレッリ先生がコーディネーターを務めた)で、イベリア半島の事例を中心とした戦間期ヨーロッパにおける権威主義体制の位相について報告した。この会合においては、共同研究者以外の海外研究者からも幅広いフィードバックを得ることができた。 本研究課題の最終年度となる2023年度に、研究成果をより幅広くかつ包括的に発信するための準備に着手した。2023年9月にスペイン・ログローニョで開催される「スペイン現代史学会(AHC)」において、本研究計画の共同研究者たちと分科会の設置を申請し、採択された。この分科会は、共同研究者以外にも、スペイン・ポルトガルをはじめとする幅広い研究者が報告する、充実した内容となることが期待される。 また、共同研究者であるカルロス・ドンペル先生とプリオレッリ先生が編者となった論文集に、政治学と政治史研究との接合に関する論文を寄稿した(研究成果の項目を参照)。この論文集は、さまざまなテーマに関して、政治学と現代史研究がいかに協働すべきかを論じたものであり、日本のみならず世界的に見ても両者の乖離が進んでいる現状に対し、問題と解決策を提示した内容になっている。 その他、共同研究者の博士論文をベースにした単著の出版計画も順調に進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に記した通り、現時点ですでに共同研究者とともに研究成果を海外に向けて発信できている。さらに、本研究の総括となる、スペインの学会での分科会の設置を実現することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、9月の「スペイン現代史学会」での分科会運営を成功させることを目指す。さらに、2023年度中(3月が最有力)に、共同研究者を日本に招いてシンポジウムを開催する(日本の研究者にも報告や討論に参加してもらう予定である)。これにより、本研究課題の成果を国内においても十分還元することが可能になるだろう。 また、本研究課題全体の最終的な成果として、海外の出版社から英語の論文集を公刊することを目指す。実際の公刊は来年度以降になる可能性があるが、今年度中に出版社、執筆陣などをできるだけ具体化したい。
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