2021 Fiscal Year Research-status Report
ソーシャルファイナンスとDemand Pull型市場による地域活性化の研究
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19KK0334
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
保田 隆明 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (90581546)
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Project Period (FY) |
2020 – 2022
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Keywords | ソーシャルファイナンス / 地域通貨 / ふるさと納税 / クラウドファンディング |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は主に、わが国における購入型クラウドファンディングを通じた地域企業の事業力強化を通じた地域活性化と、ふるさと納税を通じた地域活性化の2点を中心に研究を進めた。前者については、大企業や海外企業の参入が見られることから、地域事業者にとっては従前に比べると優位性がなくなりつつある状況が明らかになった。
後者のふるさと納税を通じた地域活性化については、海外に対しての研究成果の発信を行った。特に、本制度は世界でわが国が初めて導入した制度である一方、地域活性化への貢献の可能性に対しての着目が高い。2021年度には、韓国で正式に導入されることが可決され(立法化)、日本での取り組みと今後の可能性と課題についての着目はますます高まりつつある。そのような中でふるさと納税が地域事業者の事業力向上にどのように影響するのか、また、地域金融機関を通じた産学官金連携の可能性と課題、デジタルトークンや地域通貨を通じた地域活性化への取り組みなどを研究を通じて明らかにし、洋書として取りまとめることで成果発表をおこなった。
年度後半には神戸市でのデジタル地域通貨の実証実験も実施し、これの成果についても海外に発信していくことで、この分野の研究蓄積に貢献していく予定である。地域通貨の設計・導入段階から企画し、研究対象としたデジタル地域通貨の実証実験は海外においても稀有なものであり、当分野の研究蓄積と政策示唆導出に貢献するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ふるさと納税に関しては、洋書を発刊することができ、当初予定していたように、海外学術界および政策担当者に対して本制度の持つ可能性と課題について問うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
地域通貨の実証実験についての研究結果を取りまとめ発表していく。日本は地域通貨に関しては先進地域であり、そこでの知見の蓄積は海外のregional developmentの領域において貢献となるはずである。
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