2023 Fiscal Year Research-status Report
Politics of Electoral Reform in Democratizing Regimes
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19KK0337
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
鷲田 任邦 東洋大学, 法学部, 教授 (50744893)
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Project Period (FY) |
2021 – 2024
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Keywords | 政治改革 / 選挙の公平性 / サーベイ / 投票行動 / マレーシア |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、マレーシアで実施したサーベイ調査(1回の対面調査と2回のオンライン調査)をもとにして、2022年総選挙における有権者の投票行動の要因(政治改革に対する態度を含め)の分析を行った。分析から、選挙結果を左右した浮動票の動きは、政治改革や民族宗教的な争点よりも、経済的不満によって左右されていたことを明らかにした。成果は、海外査読誌のThe Round Tableのマレーシア総選挙特集号(112巻3号)に掲載され、その特集号に基づくシンポジウム(於サンウェイ大学7/11)で、冒頭のビデオ録画で論文要旨を報告した。加えて、同サーベイを基にした、政府の分配に対する依存が、政治改革への態度に対する要因についての研究報告を、MASSA (Malaysia and Singapore Society of Australia)シンポジウム(於New Era University, Kajang)で行った。上記サーベイで実施した選挙改革に関するサーベイ実験など、他のプロジェクトについても、共同研究者と連絡を取り合って進めている。 また、選挙の公平性の規定要因に関する多国間分析の一環として、クライアンテリズムの類型化と規定要因についての分析を行い、V-Demのワーキングペーパーに続き、European Political Science Review(16巻2号)上に論文を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナにより渡航時期がずれたので、当初計画よりも調査研究の開始は遅れたものの、渡航時期が総選挙と重なり、選挙前後にサーベイ調査を実施することができた。投票行動については海外査読誌から出版することができ、多国間分析についても海外査読誌で成果を発表することができた。一方で、個人で進めている関連プロジェクトや、共同研究者と進めているサーベイ実験論文の執筆などについては、2024年度に回したい。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度として設定した2024年度には、サーベイデータを活用して、共同研究者との選挙改革に関するサーベイ実験の論文や、2023年度のシンポジウム論文をはじめとして、成果の取りまとめと投稿に専念する予定である。補足的なオンラインサーベイも実施する予定である。
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Research Products
(4 results)