2022 Fiscal Year Research-status Report
Optimization of neutron-proton pair energy density functional
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19KK0343
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
日野原 伸生 筑波大学, 計算科学研究センター, 助教 (80511435)
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Project Period (FY) |
2020 – 2023
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Keywords | 原子核密度汎関数法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は原子核エネルギー密度汎関数の中性子―陽子対相関部分を既知の実験データを用いて決定し、未知の量である、ニュートリノの質量の決定に重要となる二重ベータ崩壊行列要素や、元素合成のrプロセス経路決定に重要となる中性子過剰不安定核のベータ崩壊半減期を予言できる、精密な原子核エネルギー密度汎関数を構築することである。 奇数個の陽子と中性子からなる奇々核を中性子―陽子対相関を用いて記述する理論的な枠組みを構築した。アイソスカラー型(スピン1)およびアイソベクトル型(スピン0)に組んだ中性子―陽子対の振幅の大きさを拘束付き平均場計算によって変えた平均場状態を生成し、粒子数射影および角運動量射影を行うことにより対応する奇々核の基底を作り、生成座標法によって平均場状態を重ね合わせることによって奇々核の基底状態および低励起状態を記述する。まずは一軌道のみからなる厳密解が存在するSO(8)模型で、様々なスピンの奇々核の基底状態及び励起状態のエネルギー、アイソベクトルスピンM1遷移の厳密解を精度良く再現できることを確認した。さらに1粒子エネルギーを導入することでsd殻領域で中性子数と陽子数が等しい奇々核の0+, 1+状態のエネルギー、アイソベクトルM1遷移強度がアイソスカラー型中性子―陽子対相関の強度依存を分析した。18F同位体ではアイソスカラー型中性子―陽子対相関は、0+状態と1+状態間のスピンM1遷移強度を増大させる一方、軌道M1との干渉項を減少させ、B(M1)のアイソスカラー型中性子―陽子対相関依存性は弱くなることがわかった。 中性子―陽子チャネルの有限振幅法を用いたニュートリノレス二重ベータ崩壊の計算コードの開発も進めており、プロトタイプとなる計算コードが完成している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナにより分野の国際会議の日程が変更になったことや授業スケジュールにより2022年度に渡航を開始することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の補助事業期間を延長し、2023年4月より海外共同研究者の在籍する研究機関への渡航を行って国際共同研究を集中的に推進する。
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