2020 Fiscal Year Research-status Report
道路橋鋼床版の狭隘溶接部における耐疲労性向上技術の実用展開と施工プロセス最適化
Project/Area Number |
19KK0366
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
廣畑 幹人 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (50565140)
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Project Period (FY) |
2020 – 2022
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Keywords | 鋼床版 / 溶接 / 変形 / 最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,道路橋鋼床版の製作プロセス最適化を実現するため,当該分野における世界的権威であるハンガリー,ミシュコルツ大学のKaroli Jarmai教授との共同研究を実施する.新型コロナウィルスの感染状況により,当初予定の渡航期間を変更せざるを得ない状況にあったが,その間に,研究対象とする鋼床版の基本形式および寸法に関する情報整理を行った.また,製作に使用する溶接方法として,既往のアーク溶接に加え,レーザ溶接の適用性を検証する実験を実施した.アーク溶接とレーザ溶接の継手作製実験により,両溶接法による施工時間ならびに製作精度(溶接変形)の比較を行った.ここで得た結果は,渡航後の製造プロセス最適化研究における基礎的情報(入力条件)として用いる.異なる溶接プロセスで鋼床版を製作する場合,溶接の順序など各種条件によって変形を最小化するとともに,施工時間,コストまで含めた総合的な最適化を検討するための基礎情報を整備した. 一方,耐疲労性向上技術に関しては,基課題で対象とする狭隘溶接部を模擬した供試体について残留応力の特徴を把握し,残留応力分布を再現可能なシミュレーションモデルを構築した.さらに,残留応力を低減させて耐疲労性向上を図る基課題の局所加熱技術を適用することを想定したシミュレーションにも着手し,残留応力が低減される効果も確認できた.ここで得た結果は,今後,韓国ソウル大学のChang Kyong-Ho教授との共同研究で使用する基本モデルとなる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルスの感染状況により,当初予定のハンガリーへの渡航期間を変更せざるを得なかった.しかし,この期間を利用して渡航後の共同研究で必要となる基本情報を整備することができたため,全体の進捗に及ぼす影響は抑えることができたと考える. 韓国ソウルへの渡航についても,当初予定を変更せざるを得ない状況となっている.しかし,全体の進捗への影響を最小限にとどめるため,受け入れ機関の研究者と情報交換し,渡航が可能になった段階で円滑に研究を進められるように準備を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年5月に,ハンガリーへ渡航し現地での共同研究を開始する.既に整備した最適化研究に必要な基本情報を元に,具体的な最適化手法の適用に着手する.その中で,新たに必要な情報が追加されることが予想されるため,渡航先からも情報収集が可能な状況を整備しておく. 韓国ソウルへの渡航と共同研究開始については,新型コロナウィルスの感染状況を鑑み,受け入れ機関の研究者と連携を継続する.渡航に先立ち着手できる実験,解析を開始し,渡航後の円滑な研究開始を目指す.
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