2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19KK0368
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
吉川 千晶 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 主幹研究員 (10447930)
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Project Period (FY) |
2020 – 2023
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Keywords | 足場材料 / 生分解性 / 電解紡糸 / 傾斜構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
基課題では、関節軟骨組織の傾斜構造に着目し、セルロースナノファイバー(CNF)と間葉系幹細胞を用いた関節軟骨の再生に取り組んでいる。高次構造の不均一性が軟骨再生における機能発現に重要であることが明らかになりつつあるが、CNFが非生分解性のため、そのまま足場材料として利用することは難しい。この問題を解決すべく、本研究ではブラウンシュワイク工科大のメンデル教授との国際共同研究により、生分解性かつ傾斜構造の両要件を満たす足場材料の開発を目指している。 しかし、2022年度も新型コロナウィルス感染症の蔓延により渡航(長期滞在)できなかったため、大きな進展はなかった。日本で実施できる研究として、生分解性高分子に原子移動ラジカル重合の重合開始基を導入し、それを電解紡糸した。その結果、繊維径の揃った電解紡糸不織布が得られることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の蔓延により2022年度も海外渡航が制限され、共同研究先に長期滞在して研究を実施することができなかったため。なお、海外研究機関とは定期的にオンラインミーティングを行い、渡航後、速やかに研究に着手できるよう準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
実験計画では、(1)セルロースナノファイバーの生分解性化、(2)生分解性高分子を用いた電解紡糸(ナノ繊維化)、(3)ナノ繊維への生理活性物質の導入、(4)性能評価(生理活性・生分解性評価など)、を予定していた。しかし、2021年度・2022年度は新型コロナウィスの世界的蔓延により渡航できなかったため、日本で(1)(2)の最適化を実施してきた。 2023年度上半期に渡航することが決まったため、主に(3)(4)の実験を海外研究機関で実施する。なお、本研究課題を推進するため、共同研究先の修士学生1名が本研究課題に専従してくれることになった。さらに、下半期は学生が来日し、研究代表者が所属する研究機関においてインターンシップ生として研究を実施してくれる。
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Research Products
(2 results)