2020 Fiscal Year Research-status Report
地中熱利用ポテンシャルの気候変動下のグローバルトレンド動的評価と国際応用,標準化
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19KK0370
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
阪田 義隆 北海道大学, 工学研究院, 助教 (10754236)
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Project Period (FY) |
2020 – 2022
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Keywords | 地中熱 / ヒートポンプシステム / ライフサイクルコスト / 気候変動 / グローバルトレンド |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度(初年度)は,当初計画では,連携先となるカナダ,ブリティッシュ・コロンビア大学に滞在し,連携先にて研究を進めている気候変動下におけるエネルギー需要とそれと連動したエネルギーコストとを組み合わせることで,再生可能エネルギーに共通する課題である長期ライフサイクルコストを算出するアルゴリズムを開発し,地中熱利用ポテンシャルのグローバルトレンドを動的評価する手法を確立する研究計画であった。しかしながら,コロナ禍により,カナダへの渡航の可能性を定期的に窺っていたが,結果的に2020年度中の訪問・滞在を行うことができず,同アルゴリズムの開発については現在も継続して行っている。 その代りとなる国内で可能な研究活動として,カナダ,アメリカ,中国,スウェーデンなど渡航予定先などにおける,エネルギーコスト,トレンドに関する情報の収集を行った。 また,わが国の温暖地の代表として東京,寒冷地として札幌を挙げ,気象庁地球温暖化予測情報のデータ(2076~2095年)と1次元地下水熱輸送モデルから計算される地中温度プロファイルの長期予測を将来条件とした,地中熱システム稼働シミュレーションの長期性能予測を行い,その上でライフサイクルコスト分析を行った。その結果,温暖化の進行により,従来の空気熱源システムの性能が低下すること,それ以上に,浅層地中熱システムは影響を受ける可能性があること,一方でボアホール型地中熱システムは安定した性能を確保できることが示され,その結果,ライフサイクルコストも将来的には地中熱システムが有利になりうることを明らかにした。 更に,カナダブリティッシュコロンビア大学では,キャンパスの熱供給に地下水熱が使われてることから,その性能評価に重要な目詰まり進行を評価する行うための,水質,水温変化による鉄不溶出現象に関する基礎実験を北大構内の実験井戸や市内の実証施設を対象に実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度(初年度)は,連携先となるカナダ,ブリティッシュ・コロンビア大学に滞在し,研究を進める気候変動下におけるエネルギー需要とそれと連動したエネルギーコストとを組み合わせることで,長期ライフサイクルコストを予測算出するアルゴリズムを開発し,併せて,地中熱利用ポテンシャルのグローバルトレンドを動的評価する手法を確立する研究計画であった。しかしながら,コロナ禍により,カナダへの渡航の可能性を定期的に窺っていたが,結果的に2020年度中の訪問・滞在を行うことができず,2020年度の計画に沿った研究開発を達成することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
気候変動下におけるエネルギー需要とそれと連動したエネルギーコストとを組み合わせた長期ライフサイクルコストを予測算出するアルゴリズムの研究開発について,2020年度に引き続き,2021年度について実施することとする。ただし,渡航の目途について予断を許さない状況を勘案し,上期には,国内にてオンライン会議を活用しながら,できるだけ研究開発を進め,2021年度後半には渡航し,速やかに研究開発を行うことしたい。 併せて,当初想定していた渡航先についても,コロナ禍の状況を勘案しながら,目的とする研究内容を達成できる範囲で調整,あるいは場合によっては渡航先の再検討を行いながら,共同研究内容についても並行して準備を進め,2022年度に速やかに渡航し,遅れを取り戻せるよう最大限,努める。
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Research Products
(2 results)