2021 Fiscal Year Research-status Report
地中熱利用ポテンシャルの気候変動下のグローバルトレンド動的評価と国際応用,標準化
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19KK0370
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
阪田 義隆 金沢大学, 地球社会基盤学系, 准教授 (10754236)
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Project Period (FY) |
2020 – 2022
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Keywords | 地中熱 / ヒートポンプシステム / ライフサイクルコスト / 気候変動 / グローバルトレンド / 不確実性 / インパクトアナリシス |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度(2年度)の上期は,米国を中心に世界的に普及する建物の熱負荷計算ツールであるEnergy Plusを,初年度開発した計算アルゴリズムに組み込むことで,気象条件+地盤データベースから,熱負荷計算そして地中熱システムシミュレーション,エネルギーコストを踏まえたシステムのライフサイクルコスト評価まで一貫して評価するシステムを開発した。 下期には,訪問予定国であったカナダが新型コロナ感染症対策としての入国規制が2021年9月より緩和されたことを受け,Visiting Professorとして12月3日から3月2日までの3か月間滞在し,The University of British Columbiaにて,Prof. Dowlatabadiとの共同研究として,気候変動を含めた将来における設備性能やエネルギーコストの評価手法に関するレヴューを含めた開発に着手した。また並行して,ブリテッシュコロンビア州の地中熱普及協会であるGeoExchange BCと,カナダにおける地中熱工事の実態について情報収集を行い,施工マニュアルについて日本との比較のための作成を共同研究として依頼した。加えて,バンクーバー周辺の地中熱評価のための数値モデル作成のための地質・地下水情報を有するSimon Fraser University のProf. Allenが有する地下水モデルに熱輸送条件を加える共同研究に着手した。さらに,低速な地下水流れの精度向上を図るための数値解析手法として,多孔体のCFD解析を行うべく,The University of British Columbiaの,Assistant Prof. Aliとモデルの設計について検討を行った。 帰国後,これらをとりまとめるとともに,2020年度上期までの成果を論文として執筆とりまとめ,ジャーナルに投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度(初年度)は,新型コロナ感染症による各国の感染防止対策のため,カナダほか連携予定国への渡航はできず,渡航が実現したのは,カナダの国境が解放された後の2021年12月であり,1年以上の研究計画の遅延が生じている。ただし,滞在中には精力的な共同研究活動および新たな連携先の確保がかなうなど遅延を取り戻しつつあり,最終年度には当初計画に記載した成果目標を達成する計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
気候変動下におけるエネルギー需要とそれと連動したエネルギーコストとを組み合わせた長期ライフサイクルコストを予測算出するアルゴリズムの研究開発について,最終年度である2022年度にその目標達成を進める。 具体的には,我が国およびカナダにおける評価条件を収集整理したうえで,国際共同研究として,2022年夏季に,主な連携先であるThe University of British Columbinaへ滞在し,上記アルゴリズムの完成と,我が国およびカナダを先行事例とした評価を目指す。さらに,秋季には他国(米国および中国)の情報を収集し,冬季に,それぞれの連携先(University of CaliforniaおよびRoyal Institte of Technology)への渡航を通じ,同手法を適用,検証することで,目標とする手法の世界標準化,規格化の達成を目指す。
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Research Products
(2 results)