2021 Fiscal Year Research-status Report
Multi-degree-of-freedom soft actuator integrating jamming transition phenomenon and microhydraulic pressure sources
Project/Area Number |
19KK0375
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
金 俊完 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (40401517)
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Project Period (FY) |
2021 – 2023
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Keywords | ソフトロボット / 電界共役流体 / ジャミング転移現象 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体を模するソフトロボットの可変剛性メカニズムとして,ジャミング転移現象と電界共役流体 (Electro-Conjugate Fluid: ECF) ジェットの負圧を融合した新たな方法を提案している.この手法は,ソフトロボットの一部に粒子ジャミングを使用することにより,この部分の剛性をソフトからリジッドにアクティブに切り替えることができる.従来のジャミングシステムの課題はかさばる真空ポンプが必要でありシステム全体を小形化できないことであったが,本研究ではソフトアクチュエータに高出力密度を有する電気共役流体(ECF)マイクロポンプを直接埋め込むことで解決できる. 本年度では,ECFジェットのマイナス圧力を用いてジャミング転移現象をアクティブに制御できることを明確にしている.ECFの負圧によって引き起こされるジャミング現象を用いて実現したマイクログリッパは空気圧のものと比べて同様な性能を有していることを確認している.この結果から搭載形ECFマイクロポンプを用いることで,従来のジャミングアクチュエータシステムを小形化できることを明らかにしている. 屈曲変位と可変剛性の2つの機能を持つ新たなソフトアクチュエータシステムを提案している.これを実現するために,柔軟性があるとともに両方向の流れを生成できるマイクロポンプを提案・開発している.ECFジェットのマイナス圧55kPaで圧力アクチュエータ内に埋め込まれたアルミナ粒子がジャミングされ,本アクチュエータの剛性を5.5倍に高めることを明らかにしている.また,プラス圧力でソフトアクチュエータを膨らませ,16度の屈曲変位を発生できることを確認している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,圧力源を搭載したマルチモジュールによる局所的な可変剛性機能と能動的変形機能を組み合わせた多自由度ソフトロボットを実現し,この有効性を示すことを目的にしている.本年度は,可変剛性機能と能動的変形機能を両立できる1自由度のモジュールを実現し,この有効性を確認する研究計画であり,この目標をクリアしている.このような結果からおおむね順調に進展していると判断できる. その詳細として,ECFジェットのマイナス圧力を用いた(a)ジャミング転移現象による剛性変化と,プラス圧力による(b)アクチュエータの駆動が両立可能であることを証明するために,1自由度のECFジャミングモジュールを開発している.この構造は片側のみベローズ形状をもつソフトアクチュエータでチャンバ内部にはジャミング転移現象を引き起こすための粉体と作動流体であるECFが封入されている.加圧および減圧を行う圧力源であるフレキシブルECFマイクロポンプはベローズ部分と反対側の変位拘束部分に配置される.内部媒体が外圧の状態ではアクチュエータの形状は外力によって柔軟に変形することを確認している.ECFマイクロポンプで加圧するとベローズ部分が膨張し,アクチュエータは1自由度で湾曲することを確認している.反対に減圧を行うとチャンバ体積が減少し,封入された粉体によりジャミング転移現象が発生し剛性が増加することを確認している.加圧によるアクチュエータの駆動と減圧による剛性変化を1つのポンプで行うため,それぞれを同時に動作させることはできないものの,ソフトとハードが共存する指の軌道マッチングや柔軟な生体システムの湾曲を再現できることを確認している.
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Strategy for Future Research Activity |
変拘束要素にジャミング転移現象を利用する.加圧により伸長する太いチューブを中心に配置し,その周囲に3本の細いチューブを120°間隔で接着する.細いチューブ内には粉体を封入し,減圧によってジャミング転移現象が発生し剛性が変化するようにする.3本のジャミングチューブと中心の駆動チューブはそれぞれ別のマイクロポンプで駆動する.ジャミングチューブは無減圧時には中心の駆動チューブとともに伸長しアクチュエータは湾曲しない.3本の内1本のジャミングチューブを減圧すると剛性が増大し,そのジャミングチューブは変位拘束要素へと切り替わる.この状態で駆動チューブへ加圧を行うと変位拘束要素である減圧したジャミングチューブが内側となるように全体が湾曲する.3本のジャミングチューブの剛性を変化させることで自由な湾曲が達成される. 多自由度ソフトロボットの製作のための可変剛性アクチュエータモジュールである.1本のチューブの内部は3つのチャンバに分かれており,さらに中心部分に1本のジャミングチャンバを有する.3つのチャンバ及びジャミングチャンバは異なるマイクロポンプで駆動される.アクチュエータの能動的な変形は3つのチャンバ内の圧力を制御することによって達成される.またジャミングチューブは各チャンバ無加圧時の外力による変形のしやすさの変化だけでなく,能動的に変形させた形状の保持を可能とする.マイクロポンプはアクチュエータの端部に配置され,アクチュエータの長さを短くすることで一つのユニットとして構成する.このユニットを直列に多数並べることによって,外力による受動的および能動的な駆動によって自由自在な形状を取り,さらにその形状を保持することが可能なソフトロボットを製作することができる.
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Research Products
(4 results)