2022 Fiscal Year Research-status Report
Mechanism of coupled vibration and evaluation of maximum response of long-span cantilever roof due to local storm
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19KK0378
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
張 景耀 京都大学, 工学研究科, 准教授 (50546736)
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Project Period (FY) |
2020 – 2023
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Keywords | 大スパン片持ち屋根 / 局地的突風 / 連成振動 / 応答評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本にはダウンバーストなどの局地的突風が雷雨日に60%強の高い確率で発生している。大きな内部空間を覆う大スパン構造は、規模が大きくなるほど、風による大振幅振動が起こりやすい。イギリスのミレニアム・ドームなど、突風による大スパン屋根被害が多く報告されている。気候変動に先駆け、記録以上の局地的突風を考慮した大スパン構造の耐風設計法を確立するため、本国際共同研究では、その最大応答を予測する手法の提案を目指す。 大スパン構造を含め、建築構造物の低周波数成分が卓越しているが、既存の時間周波数解析法では、低周波数領域における精度が不足している。非線形性と非定常性の高い大スパン片持ち屋根の風応答分析のために、2021年度に提案した逐次線形チャープレット変換法に続き、2022年度では、聴覚モデルに基づいたガンマトーンフィルタ法を開発した。提案手法は、従来の時間周波数解析法より、建物の固有振動数成分およびその変動を効率よく抽出することが可能である。特に、提案手法によっては、大スパン片持ち屋根の非線形非定常風応答に対して、大変形にともなる剛性・振動数の定量的を効率よく追跡できる。 また、オープンソースの流体解析ツールであるOpenFoamを用いて、実験室レベルでのダウンバースト生成法を検討し、二次元解析および三次元解析により実測の風速プロファイルを一部再現できた。特に、乱流モデル、メッシュ分割などによる解析精度および収束計算への影響を検討した。更に、今後の研究の予備解析として、実大スケールでのダウンバースト数値解析への適用を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
オーストラリアにおける新型コロナウイルスに伴う入国制限が当初の想定より長期となり、予定していた時期の渡航が困難となった。オーストラリアへの初めての渡航は2022年12月になった。渡航できなかった期間において、共同研究者のKwok教授とはZoomミーティングやメールなどを通じて研究打ち合わせを行うことで研究を推進していたが、当初予定したスケジュールより遅れて、助成期間を1年間延長した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度には、風洞実験の検証及び数値的流体・構造連成解析によるパラメトリック・スタディを行い、大スパン片持ち屋根の局地的突風による連成振動メカニズムの解明及び最大応答評価法の確立を目指す。また、Kwok教授の海外活動に合わせて、海外現地での対面打ち合わせや日本への招待などを通じて共同研究時間を確保する予定である。
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