2021 Fiscal Year Research-status Report
神経組織再生へのケイ素化合物の影響解明と新規神経組織再生材料の創製
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19KK0381
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
城崎 由紀 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (40533956)
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Project Period (FY) |
2020 – 2023
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Keywords | 神経再生 / ヒドロゲル / キトサン |
Outline of Annual Research Achievements |
マトリゲルはin vitroにおいてさまざまな細胞や組織培養用の足場材料として使用されている。しかし,マトリゲルを使用して胚性後根神経節(DRG)を培養する際,①培養中にマトリゲルが基板から容易に剥離し培養中に浮遊する,②観察試料作製時,多段階の手順中にマトリゲルが基板からから剥離するといった問題がある。また,天然由来のためロット差があり,成分組成が安定しない。これらの問題を解決し,簡便に観察試料を作製するため,キトサンベースのヒドロゲルを作製し,ゲル化挙動と分子構造の関係と,ゲル表面での神経細胞(RT4-D6P2T)の接着・増殖を調べた。 シランカップリング剤は,有機官能基がエポキシ基あるいはアルデヒド基であるものを用いた。アルデヒド基を有するシランカップリング剤を添加した場合ゲル化時間が短縮され,マトリゲルと同程度の速さになった。シランカップリング剤とガラス表面間の接着性は,シロキサン結合により向上した。ニンヒドリン試験およびXPSスペクトルよりキトサンのアミノ基とシランカップリング剤との結合が確認された。キトサン表面pHはどの組成でもゲル化直後ではpH8.0程度であったがPBSに1日浸漬するとpH7.0程度となり,細胞培養に適したpHであった。細部培養の結果から, モル比0.05以下の組成でアルデヒド基を有するシランカップリング剤を加えたヒドロゲル表面が,最も細胞の接着・増殖を促すことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で,当初の予定での渡航ができず,海外協力期間で予定している実験が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒドロゲルに関しては,日本で組成の最適化まで進めているので,協力海外機関において神経組織を用いた検討を進めている。 ヒドロゲルと並行して検討課題である成長因子担持薄膜に関しては,日本で作製条件に関して検討中である。
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