2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19KK0385
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
狩野 泰則 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (20381056)
|
Project Period (FY) |
2020 – 2022
|
Keywords | 深海 / 多様性 / 進化 / 生物地理 / 幼生 |
Outline of Annual Research Achievements |
熱水・冷湧水や鯨骨・沈木周辺堆積物を含む深海化学合成生態系の動物種は,いつ,いかなる環境から,どのように現在の系に進出したのか? また,化学合成系外の深海,特に 6,500 m 以深の超深海において,何が種の垂直・水平分布を規定し,種分化はどのように生ずるのだろうか.申請者は基課題において,巻貝を主な対象とし,1)個々の系統における生息環境と深度分布の把握,2)系統樹構築と化石記録参照による各環境・深度への進出ルートと絶対年代の探索を行っている.また,3)初期発生様式が,異なる環境・水深・地域間の移動を規定するとの仮説のもと,幼生生態の解明を通じて化学合成系と超深海における動物の起源と進化を理解しようと試みている.そこで本国際共同研究では,1)各研究機関の深海性貝類および化石試料を大規模に解析すると共に,2)ゲノム解析と形態比較の新手法を導入し,更には 3)世界各国の第一線研究者とのネットワーク構築を進め,多角的な議論を行うことで,深海動物の進化について全球的かつ統合的な理解をめざす. 初年度である2020年度には,海外共同研究者からすでに貸与を受けている試料の形態的解析を行い,また既に取得済みのデータに関しては2020年4月以降に4編の論文として公表した.なお計画では,ドイツ・ミュンヘン動物学博物館のBastian Brenzinger博士を招へいし助力を受け,また年度後半に欧州出張を実施,打ち合わせを行うほか研究体制を整える予定であったが,コロナ感染症の影響によりいずれも実現できなかった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症に関する活動制限のため,在外研究及び海外共同研究者の招へいを一切実施できなかった.既存データの論文化については概ね予定通り実施できている.
|
Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症に関する活動制限のため,各国研究機関での在外研究および研究者招へいについて未だ見込みが立たないが,安全な実施が可能となり次第改めて計画を行いたい.研究打ち合わせに関してはこれまで通りZoom利用による会議と電子メール利用を中心として実施する。
|
Research Products
(5 results)