2023 Fiscal Year Research-status Report
Visualization of the Smad-Smad cofactor cooperativity in cancer progression
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19KK0400
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
伊藤 友香 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (40454326)
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Project Period (FY) |
2020 – 2024
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Keywords | Smad / 転写 / がん |
Outline of Annual Research Achievements |
多機能性サイトカインTGF-βは、細胞の増殖や分化、アポトーシスなどの多様な細胞応答を制御し、正常な細胞応答に必要である。一方、TGF-βシグナル伝達の異常は組織線維化やがん促進などの病態形成に関与することが知られている。TGF-βが細胞膜上の受容体に結合すると、リン酸化により転写因子Smad2あるいはSmad3が活性化され、Smad4と複合体を形成し標的遺伝子発現を制御する。このSmad複合体による転写制御において、Smadと協調して働く他の転写因子Smad cofactorの発現や活性の相違がTGF-βの作用の多様性を生み出す一因であると考えられている。本研究では、TGF-β応答性のある乳がん細胞にSmad cofactorとSmadによる協調的な転写活性化をモニタリングできるレポーターを導入し、腫瘍本来の生育状態を反映することが知られている3次元培養をおこなうことで、TGF-βによるがん治療抵抗性や転移・浸潤などの細胞応答とSmad-Smad cofactorの協調作用の対応を明らかにすることを目的とする。 本年度は、3次元培養により発現が誘導される転写因子Sox4に着目し、Smadによる転写活性化に対する影響をレポーター細胞を作製して検討した。3次元培養をおこなうことでSmadを介した転写活性化は大きく上昇し、Sox4ノックダウンによりこの転写活性化は抑制された。また、Sox4とSmadの協調的な転写活性化能について検討し、Sox4はSmad cofactorとして働くことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
積極的に意見交換を行い、共同研究が進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
SmadとSox4によって制御される標的遺伝子を網羅的解析データより同定してSmad-Sox4協調作用による遺伝子発現制御の詳細をレポーターアッセイおよびChIPアッセイにより明らかにするとともに、乳がん悪性化との関連について細胞形態や増殖変化、運動性・浸潤能変化、抗がん剤耐性を指標に検討する。
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