2023 Fiscal Year Annual Research Report
難治性好中球性喘息にsST2吸入療法は有効か?生体イメージングによる好中球の解析
Project/Area Number |
19KK0404
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
渡辺 雅人 杏林大学, 医学部, 非常勤講師 (00458902)
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Project Period (FY) |
2020 – 2023
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Keywords | 喘息 / 好中球 / IL-33 / sST2 / ST2 / Intravital microscopy |
Outline of Annual Research Achievements |
2020-2021年度には、海外渡航の準備として、IL-33またはアルテルナリアを経気道投与し、好中球性喘息のモデルを作成した。その後、sST2吸入療法がIL-33による好中球性気道炎症を抑制するかどうかを検証したが、予想に反して、sST2はIL-33のキャリアプロテインとし働き、好中球性気道炎症を増強することがわかった。この結果は、国際誌に報告した。 2022年度には、カルガリーで生体顕微鏡を用いて、生きたマウスの肺内で好中球を解析した。日本での予備実験の結果を考慮し、sST2の投与実験は行わず、アルテルナリアを用いた好中球性喘息モデルの解析に注力した。好中球喘息モデルの肺微細血管内では、好中球数が増加し、好中球の活動性(移動距離)が増加していることが明らかになった。 2023年度以降は、肺微小血管内の好中球の機能を理解するために、血小板との相互作用を解析した。生体顕微鏡を用いて、マウスの肺微小血管内で好中球と血小板を観察し、画像解析ソフトでその相互作用を可視化した。定常状態のマウスの肺内では、好中球と血小板の相互作用が観察され、好中球性喘息モデルではこの相互作用が増加していた。ヒトのアスピリン喘息患者では、好中球と血小板の相互作用によりロイコトリエンが放出されることから、この相互作用が好中球性喘息の病態に関与する可能性がある。 生体顕微鏡でマウスの肺内の好中球を観察する過程で、肺胞マクロファージと好中球が恒常的に相互作用していることを偶然に発見した。無刺激のマウスの肺で、好中球が肺微小血管内と肺胞内で移動を繰り返し、肺胞内でマクロファージと相互作用していた。好中球性喘息モデルでも同様に相互作用していたが、持続時間はコントロールマウスよりも短かった。肺胞マクロファージと好中球の相互作用、好中球が恒常的に血管内外を移動する意義については、今後の研究課題である。
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Research Products
(1 results)