2020 Fiscal Year Research-status Report
メトホルミンとアスピリンを用いた大腸癌化学予防の開発
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19KK0412
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
日暮 琢磨 横浜市立大学, 医学部, 講師 (90622580)
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Project Period (FY) |
2020 – 2021
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Keywords | 大腸癌 / オルガノイド / 化学予防 / アスピリン / メトホルミン |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸癌は本邦を含め、全世界的に増加傾向であり根本的な対策である一次予防(健康増進/疾病予防)が求められている。そこで、新規培養技術であるオルガノイドを用いて、大腸癌の発癌段階をオルガノイドで再現し、化学予防薬がどのように抗腫瘍効果を発揮するのかを網羅的に解析するシステムの開発を行ってきた。我々はこれまでメトホルミンを用いて大腸発癌予防研究をin vitro, in vivo, 臨床研究と様々な面から検討してきたが、欧米では古くからアスピリンを用いた化学予防が検討されている。機序の異なる複数の薬剤を組み合わせて使用することで、副作用を最小化し目的の効果を最大化できると考えて実験を進めている。 方法として、ヒトより採取した正常上皮、腺腫、SSA/P、大腸癌より作成したオルガノイドをマトリゲルに培養し、まずメトホルミンをpositive controlとして投与実験を行い、細胞増殖スピード、細胞増殖マーカー、遺伝子発現、蛋白のリン酸化などを解析する。続いて、オルガノイドをマウスに移植するxenograft modelを作成し、更にその効果をin vivoで確認する。 これまでにヒト由来の大腸オルガノイドを20名の患者より内視鏡で採取した細胞から立ち上げることに成功し、アスピリン投与により細胞増殖、遺伝子変化などの解析を実施している。容量反応試験およびタイムコースの実験を実施し、至適容量および最適な解析時間の確定を行った。 アスピリンはCOX-2の抑制の他にHPGDを介した抗腫瘍効果を示すことを発見し、現在はさらにその下流、さらにRNAシークエンスを用いて網羅的な遺伝子解析も行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の影響で先方のラボが2020年3月から閉鎖となり、渡米開始が遅れてしまった。ラボ再開後も、勤務人数制限などがあったため、予定よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
ラボが再開され、ようやく登院制限なく実験が可能となった。 当初の予定よりも遅れているため、渡航期間の延長が可能かどうかも含めて留学先、留学元と調整を行っている。
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