2020 Fiscal Year Research-status Report
Area-specific contribution to locomotor control in premotor cortex
Project/Area Number |
19KK0414
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
中島 敏 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (00455792)
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Project Period (FY) |
2020 – 2022
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Keywords | 高次運動野 / 歩行 / 薬剤注入 / 可逆的不活性化 / トレッドミル |
Outline of Annual Research Achievements |
脳疾患によって歩行・姿勢調節という基本的な運動機能に障害をもつ患者さんの数が増大する中,脳の各領域が歩行と姿勢調節に果たす役割を正しく知り,障害された領域に基づいたリハビリテーション法を開発することが急務となっています.特に転倒リスクが高い凹凸のある床面を歩行する時には大脳の後頭頂皮質・高次運動野と呼ばれる部位による,視覚入力に基づいた歩行の制御が重要と考えられます. 申請者らの最近の研究によって,ネコの高次運動野の中の種々の領域が歩行に対すてユニークな関与をしていることが示唆されました.現在進行中の研究では,領域によってユニークな歩行制御の機構をさらに詳しく調べることを目指しています.方法論的にはネコに障害物付きのトレッドミル上を歩くよう訓練した上で高次運動野の中の一領域だけに薬剤を微量注入し,一時的にその領域の機能を止めるという介入的な手法をとります. 本研究の成果は高次運動野が運動をコントロールする仕組みの理解を更に発展させることが期待されます.また,歩行障害の病態生理学的な機序についての理解を深め,脳の中の障害領域に応じた歩行リハビリテーション法を開発する基礎的な知見となることも期待されます. 当初は申請者が2020年度後半にカナダに渡航し,一部の実験を開始する予定でしたが,コロナ禍により双方の研究者の往来が不可能となったため,本格的な実験を行うには至っておりません.本年度は,ネコ2頭の対して行動課題の訓練(トレッドミル上を流れてくる障害物を跨ぎながら歩行を続ける)がカナダ側で行なわれました.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カナダ側でのネコのトレーニングは順調に進んでおり,申請者が渡航でき次第実験に供することができる状態である.
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Strategy for Future Research Activity |
申請者は2021年10月にカナダに渡航予定であり,2022年1月まで少なくとも1頭のネコについては手術及びムシモール注入実験を完了し,更に2022年2月から2頭目のネコを用いて実験を開始する予定である.
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Research Products
(2 results)