2021 Fiscal Year Research-status Report
Field-based reserch on relationship technologies involving orality way of thinking
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19KT0004
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| Research Institution | National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities |
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Principal Investigator |
井上 剛伸 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 福祉機器開発部, 研究部長 (40360680)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二瓶 美里 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (20409668)
硯川 潤 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 福祉機器開発部, 研究室長 (50571577)
水野 純平 京都大学, 人間・環境学研究科, 特定研究員 (60822286)
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| Project Period (FY) |
2019-07-17 – 2023-03-31
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| Keywords | 支援機器 / ユーザ・インタフェース / 電動車椅子 / 居住環境 / 情報支援ロボット |
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| Outline of Annual Research Achievements |
１．利用者（被支援者）の福利に有益である，かかわり合いのオラリティ・ユーザインタフェースの要件:情報支援ロボットの6ヶ月利用における高齢者（被支援者）10名の発話から，ロボット導入前後で，感謝に関する発語が増加することが示された．居室状況のセンシングデバイスについては，数種類のタブレット端末の中から，対象機種を選定し，居室データ分析に必要なソフトウェアの検討を行った．また，電動車椅子の走行時注意喚起システムでは，ジョイスティックの操作状態を推定する手法を開発しているが，今年度は車体構造を反映した剛体モデルを適用することで，大きな路面傾斜で生じる推定誤差を改善することができた．
２．支援する者の寛容さを発揮できるかかわり合いの機器の要件：中等度の認知症のある高齢者を対象とした，在宅環境での情報支援ロボットの利用から，本人にとって，情報支援ロボットと「対話している」という経験が構築される条件として，家族や介護専門職の存在が重要な因子になっていることが示された．また，かかわり合いの機器の実態を把握するために情報支援機器を含めた認知機能を支援する機器の利用状況に関するアンケート調査を実施した．その結果，認知機能支援機器は認知機能低下に対する支援として必要と認識されているも，導入・利用経験のないリハビリテーション専門職もみられ，支援機器により利用状況や認知度も異なることが示された．
３．オラリティを核としたかかわり合いの機器に関する総合的な議論：それぞれの開発事例を基に，議論を進めた結果，オラリティの知見を生かした情報支援機器の利用は，利用者の感情に影響を及ぼすことが示された．また，機械による自動的な介入ではなく，人側に情報を伝え行動を促すことの重要性も指摘され，センシングデータに基づくオラリティ・インタフェースの重要性も示された．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.オラリティ・ユーザ・インタフェースの要件では，情報支援ロボットの長期利用実験の結果から，高齢者とロボットの関係を確かめることができた．また，居室状況のセンシングデバイスについては，開発したアルゴリズムの実装を行っている．電動車椅子の注意喚起システムに関しては，これまでに開発してきたジョイスティックの操作計測手法を改良し，より高精度な操作状態推定手法を構築できた．
2.かかわり合いの機器の要件では，中等度認知症者に対し，在宅環境での情報支援ロボット導入実験を行い，利用者の情報支援ロボットに対する反応（音声データ），家族や介護専門職の情報新ロボットと利用者の関係形成に与える要因についてデータ収集を行った．COVID-19の影響により，実験にやや遅れが見られている．また，リハビリテーション専門職を対象として，認知機能を支援するかかわり合いの機器の現状に関するアンケート調査を実施し，課題を抽出することができている．COVID-19の影響で，インタビュー調査にやや遅れが見られている．
3.総合的議論については，情報支援ロボット，居室状態に基づく生活支援システム，電動車椅子の注意喚起システムの３つの事例を基に，議論を行い，オラリティ・ユーザ・インタフェースの効果と要件，利用環境等を示すことができた．
以上，概ね計画に基づき進めることができているが，COVID-19の影響により，進捗にやや遅れがみられている状況である．
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究では，人と支援機器のオラリティを核としたコミュニケーションに求められる姿とは何か，を学術的問いとし，人と機器，人々の関係と機器に大別し，それぞれの目標を設定した上で「かかわり合いの機器」について議論を進めている．
１．利用者（被支援者）の福利に有益である，かかわり合いのオラリティ・ユーザインタフェースの要件：本研究では，日常生活で使用するかかわり合いの機器として，情報支援ロボットと環境センセイングによる生活支援システム，電動車椅子の操作教育システムに着目し，システムと利用者のかかわり合いの特性を明らかにする．今年度までに，情報支援ロボットの長期利用における実証結果の分析を行い，要件の抽出をおこなうとともに，電動車椅子の操作状況の計測装置を開発し，今後これらから得られた知見を基に，検証を進める予定としている．
２．支援する者の寛容さを発揮できるかかわり合いの機器の要件：かかわり合いの機器は，「人による支援」や「人と人との関係性」の間に存在しうる媒体の役目を果たすことを考慮し，支援者の本来持ちうる寛容さを発揮するための機器の機能を明らかにする．これまでに，高齢者の音声データの書き起こし及び行動センシングデータのラベリングが終了した．今後，ロボット導入による変化を質的・量的な観点から明らかにする．
３．オラリティを核としたかかわり合いの機器に関する総合的な議論：分析結果に基づき，オラリティの観点からかかわり合いの機器に求めるべき姿，オラリティ・ユーザインタフェースの要件，人と機械や人と社会における倫理的課題について議論する．これまでに，実施できた実験結果より，効果や要件を整理しててきた．今後1.,2.のさらなる結果を受け，総合的な議論を深める．
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| Causes of Carryover |
COVID-19感染拡大の影響により，情報支援ロボットの在宅での利用実験や，対面での研究活動を行うことができず，実験の開始時期が遅れたり，データ取得に支障をきたした点があり，期間延長を行った．これらについては，次年度実施する計画としている．
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