2020 Fiscal Year Research-status Report
Elucidating temporal coordination dynamics that form individualities of ensemble performances
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19KT0030
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
岡野 真裕 立命館大学, 立命館総合科学技術研究機構, 研究員 (90809956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紅林 亘 滋賀大学, データサイエンス教育研究センター, 助教 (70761211)
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Project Period (FY) |
2019-07-17 – 2022-03-31
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Keywords | 合奏 / 対人間協調 / 結合振動子 / 協調ダイナミクス / complexity matching |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は実験に用いるバーチャルパートナーシステムの開発を中心に取り組んだ。これは疑似2人組リズム維持課題の実験をオンラインもしくはスマートフォン・タブレット上で実施することにより、ヒトが持つリズム同期課題におけるタイミング調節特性を、数理モデルのパラメータとしてできるだけ多数収集し、その分布を調べるためのものである。パラメータの大規模収集に加え、性格特性や演奏経験を尋ねるアンケートも同時に取得する予定である(任意回答)。こうした属性とパラメータとの関係について検討することで、様々な特性を持つパートナーを模したバーチャル合奏システムやHumanizer(楽譜の打ち込みで製作された電子音楽のタイミング等にゆらぎを与え、人間の演奏を模すプログラム)の開発に繋げることができると考えている。 実装については、webブラウザ上で動作するプロトタイプはおおよそ完成した。ブラウザ上で(ほぼ)周期的なビープ音を鳴らし、実験参加者がそれに同期しよう思いながらキーボードまたはマウスのボタンを押すと、1回1回のビープ音とのタイミングのずれに応じて、それに続くビープ音のタイミングを微調整するというものである。しかし設定値から予想される挙動、取得したデータ、自ら操作しての実感とをすりあわせる中で、OSもしくはブラウザ上での処理遅延が無視できない影響を持つことがわかってきた。現在、遅延の原因の特定やその対策、代替手段について検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は新型コロナウイルス感染症の流行により、2人組の参加者に行動実験を行ってもらうことができなかった。またオンライン授業への対応などにも時間を割かれ、思うように研究の時間を捻出することが出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウイルス感染症の流行が収束する見通しが立たない以上、対面での実験は今後も困難になると予想される。したがって、1.オンラインで実施可能な実験システムの構築、および数理モデルのシミュレーション研究や理論解析を中心に進める。 1.オンラインで実施可能な実験システムの構築:旅費や実験参加の謝金が不要になり繰越額が多く発生しているため、これを活用してバーチャルパートナー実験のためのwebアプリケーションまたはスマートフォンアプリケーションの制作業者に外注することも視野に入れ、進めていく。 2.数理モデルのシミュレーション研究・理論解析:Humanizerを用いた研究は現実の人のモデルパラメータを集めた上で進める予定であったが、先にHumanizerを作成し、いくつかの制約に基づいて設定する任意のパラメータで作り出した協調的なゆらぎを打ち込みの電子音楽に与え、それを用いてオンラインでの聴取実験を実施する方針を考えている。また、申請時の研究計画では合奏の中でも2人組のものを特に想定していたが、元にしている数理モデルは3人以上の系に拡張することもできる。ただし3人以上の場合には、パラメータ設定の自由度が大きくなり、全体としての振る舞いに与える影響もより複雑になる可能性がある。そこで「1人がリーダー(指揮者)となり、他の人はリーダーに向かってのみ合わせようとする」「楽器ごとにパートリーダーがいて、パートリーダーは指揮者にのみ、他の団員は自分のパートのリーダーにのみ合わせる」などいくつかの典型的な構造を仮定し、いくつかの共通パラメータにおいて、それらの構造が全体の振る舞いに与える影響について検討していく。
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Causes of Carryover |
当初予定よりエフォートを割くことが出来ず、論文投稿費用などが発生しなかった。また、学会参加等の出張旅費も必要がなかった。これらのために、次年度使用額が生じた。オンライン実験システム開発の外注を中心に、研究を推進するために有効活用する。
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