2019 Fiscal Year Research-status Report
グリーンコンポジットのマイクロプラスチック化における植物由来充填材の影響
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19KT0036
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
伊藤 一志 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (30507116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常盤野 哲生 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (50312343)
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Project Period (FY) |
2019-07-17 – 2022-03-31
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Keywords | マイクロプラスチック / グリーンコンポジット |
Outline of Annual Research Achievements |
石油由来プラスチックのマイクロプラスチック化が世界的な課題となっているため、天然繊維を生分解性プラスチックに充填した高分子複合材料(グリーンコンポジット)への関心が一段と高まることが予想される。しかしながら、グリーンコンポジットの微粒子化に関する議論は限定的な範囲に留まっている。そこで、本研究ではグリーンコンポジットの微粒子化における充填材の作用について明らかにすることを目的とする。 今年度は、グリーンコンポジットの作製とその機械的特性の評価、紫外線を照射したグリーンコンポジットの表面観察、グリーンコンポジットを微細繊維に加工する装置の製作を実施した。グリーンコンポジットの作製では、母材をポリ乳酸、充填材をセルロースナノファイバ、リグノセルロースナノフィバ、シリカとした。各グリーンコンポジットの機械的特性を評価した後、内部構造を観察した結果、各充填材の分散性は良好であることが分かった。また、各グリーンコンポジットに紫外線を照射して、表面の劣化を電子顕微鏡を用いて観察した。ポリ乳酸の表面は、均一に劣化する様子がみられた。一方、ナノ繊維を充填したグリーンコンポジットの表面は、繊維の露出や表面の起伏が顕著であった。このことから、充填材の有無によって、高分子材料における劣化の進度は異なる可能性が示唆された。加工装置の作製に関しては、マイクロヒータおよびアクチュエータから構成される装置を作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに複合材料の作製方法を確立するとともに、加工装置の作製と加工条件の十分な検討を実施できた。これらの内容は当初の計画に則しており、初年度の進展は順調であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
生分解性プラスチックおよびグリーンコンポジットの微細繊維を配置した試験片を作製後、紫外線を長時間照射する。その後、微細繊維における濡れ性を評価する。さらに、研磨機を用いて微細繊維の断面を露出させた後、その機械的特性を評価する。
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