2019 Fiscal Year Research-status Report
Nitrogen deposition from atmosphere to agro-ecosystems by soil frost trapping
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19KT0041
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
下田 星児 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター, 上級研究員 (80425587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 高志 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 環境・地質研究本部 環境科学研究センター, 研究主任 (90462316)
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Project Period (FY) |
2019-07-17 – 2022-03-31
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Keywords | 積雪 / 凍土層 / 越冬作物 / 生態系制御 / 無防除 / アンモニア態窒素 / 硝酸態窒素 |
Outline of Annual Research Achievements |
農研機構北海道農業研究センター芽室研究拠点(土壌タイプ:黒ボク土壌)の場内圃場において、トラクターでタイヤローラーを引き、雪上を走ることで断熱材の役割をする雪を圧縮し、凍土層を発達させる「雪踏み」と呼ばれる方法により、作業タイミングを複数回設定し、凍土層の形成過程が異なる試験区を作成した。越冬前後の比較のため、まず秋に、複数品種の麦類と牧草の播種を行い、土壌のサンプリングを行った。2019/20年冬季は、例年に比べ12月と1月の積雪が少なく、積雪の断熱効果が得られない期間が長く生じたことから、特別な処理を行わなくても凍土層深さは30cm以上に達した。想定以下の積雪が続いたため雪踏みの作業実施は予定より遅くなったが、雪踏み処理を行った区では概ね50cm、機械除雪を行った処理区では60cmまで、凍土層を発達させることができた。今後、この処理が越冬作物へ与える影響の調査に繋げる。融雪後の滞水が心配されたが、表土の流出は少なく、試験に大きな影響は与えていない。 冬期間中、上記場内圃場で、12月から3月まで、週に1回の降雪サンプリングを行い、積雪中の化学成分を調べた。地表面からの高さ約2mの場所でサンプリングを行った。積雪中に不純物が含まれている可能性は少なく、良好なサンプリング環境であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・計画通り越冬作物の実験圃場において圧雪作業(雪踏み)を行い、複数の処理条件において凍土層を作成できた。 凍土層の発達に伴う土壌環境変化に関するデータを得ることができた。 ・初冬の積雪量が少なく想定より低温影響を受けやすい条件ではあるが、土壌・植物環境の処理区間を比較するには十分広い温度域の実験を行うことができた。 ・凍土層の作成に関する過去の蓄積データをまとめた。 ・計画通り、実験地点において定期的な積雪サンプリングを行い、積雪化学分析データを行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
・越冬作物の生育調査を行い、作物への影響を示す。 ・凍土層の作成に関するとりまとめを論文等の形で公表する。 ・積雪化学分析結果を踏まえ、作物へ与える影響を考察する。
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Causes of Carryover |
北海道では、コロナウイルスの感染拡大により影響で、2月末から研究補助員による対応が困難となったため、土壌・積雪サンプルの処理等の人件費を次年度に繰り越す必要が生じた。また、積雪サンプリングに関して、市販品の箱を設置しながら、袋を交換する方式にしたことで、初期投資を少なく済ませ、手法の改善により、サンプリング数を増やすことになり、次年度以降に経費を使用することにした。
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