2021 Fiscal Year Annual Research Report
Nitrogen deposition from atmosphere to agro-ecosystems by soil frost trapping
Project/Area Number |
19KT0041
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
下田 星児 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター, 上級研究員 (80425587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 高志 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 産業技術環境研究本部 エネルギー・環境・地質研究所, 研究主査 (90462316)
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Project Period (FY) |
2019-07-17 – 2022-03-31
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Keywords | 積雪 / 牧草 / 休耕地 / 雪腐病 / 人為汚染 / 硝酸イオン / アンモニウムイオン / 窒素沈着 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、前年度冬に行った積雪に関する化学分析を行い、前年度から継続して凍土トラップが春以降の越冬作物圃場においてどの様に作用するか検証を行った。また、病害耐性の観点から生育に与える影響を調査した。 牧草では、チモーシー種においては、前年のような除雪等の凍土処理による生育促進効果は見られなかったが、雪腐病への罹患が軽減された。逆に、オーチャードグラス、ペレニアルライグラスでは、雪腐病の発生が多くなり、凍上の影響による重症化も確認された。土壌窒素動態は、これまでの知見と同様に、土壌凍結が深いほど硝酸態窒素が多くなることを確認した。しかし、除雪区では、硝酸態窒素の増加程度が少ないことが分かった。 また、休耕地の物質循環に寒冷地気象特有の傾向が見えることが分かった。温暖地では、休耕年数が長いほど、地上部表層のリターの蓄積量が増加するのに対し、寒冷地の地上部表層のリター量は数年後には一定となった。雪腐病の発生動態と同様に、枯死植物体に対し、冬期間の分解が影響することを確認した。本知見を、Soil Use and Management誌に公表した。 積雪中の硝酸・アンモニウムイオン動態に着目し、過去の積雪化学分析の結果をまとめた。北農研芽室研究拠点の積雪中窒素量は、従来の積雪調査結果により推定されている量と比較して3-5倍多かった。積雪調査は人為汚染を避けるように地点設定されるが、農業地域では市街地の窒素排出の影響が生じている可能性がある。年次変動から、窒素として最も蓄積量が多かったのは2012年だったことが分かり、越境大気由来の窒素の寄与が示唆された。
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Research Products
(8 results)