2020 Fiscal Year Research-status Report

大規模災害発生時におけるSNS利用実態の解明とそのリテラシー向上

Research Project

Project/Area Number	19KT0043
Research Institution	Tohoku University
Principal Investigator	佐藤翔輔東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (00614372)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	立木茂雄同志社大学, 社会学部, 教授 (90188269) 邑本俊亮東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (80212257)
Project Period (FY)	2019-07-17 – 2022-03-31
Keywords	SNS / 災害対応 / 情報リテラシー / 情報信頼性 / 情報爆発
Outline of Annual Research Achievements	質問紙調査を設計するために，熊本地震，西日本豪雨，北海道胆振東部地震，令和元年東日本台風を経験した被災者に，「こんな情報が役に立った」「こんな困ったことがあった」「こんな情報を発信した」の内容を問う質的調査を実施した．事前にインターネット・モニター調査をモニター100名に対して行い，その内容についてインタビュー調査に協力していただける14名にオンラインでインタビュー調査を実施した．ここで得た内容をもとに，質問紙調査の設問を生成した．熊本地震，西日本豪雨（2018年7月），北海道胆振東部地震，台風19号（令和元年東日本台風），令和2年7月豪雨における被災者1250名に対して，インターネットによる質問紙調査を実施した．同調査では，主な情報収集手段，役立った情報，役立った情報ごとに利用した情報収集手段，SNSでの発信・転送の実績，発信した内容，発信した情報手段，SNSで困った経験とその内容，その際に使用した情報手段，これらの行動とパーソナリティ（情報実践力尺度，ネット荒らし尺度，防災リテラシー得点，ビッグファイブ）との相関関係を分析した．研究期間中に，2019年山形県沖地震津波，令和元年東日本台風（2019年台風19号），令和2年7月豪雨（2020年7月豪雨）などの災害が発生したことから，それぞれの主要な被災地における量的・質的調査を実施し，情報収集行動の実態と避難行動との対応関係を明らかにした．これらの成果は，査読付き論文1編，学会発表1編として発信している．
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned. Reason 過去の被災地における住民へのインタビュー調査とインターネットモニターに対する質問紙調査を実施する予定であったが，採択後に山形県沖地震，台風15号，台風19号，令和2年7月豪雨が発生したことを受けて，これら災害に対する緊急調査を実施する必要性が発生したことと，SNSをとりまく情勢が大きく変化したために，以上の計画していた2つの調査を実施内容を変更して．2020年度に移行した．さらにコロナ禍であったために，対面で行うインタビュー調査から，遠隔地で実施できるオンライン形式に柔軟に移行したことで無事に実施できた．質問紙調査の分析もほぼ完了しており，これらの成果をとりまとめるのみである．
Strategy for Future Research Activity	質問紙調査で得られた知見をまとめて，学術論文にするとともに，「災害時SNSリテラシーに関するガイドライン（案）」の基礎資料とする．
Causes of Carryover	調査費用をややおさえることができたため，この分の予算を成果発信にあてる．