2012 Fiscal Year Annual Research Report
ナノグラフェンの端の精密科学:エッジ状態の解明と機能
Project/Area Number |
20001006
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
榎 敏明 東京工業大学, 理工学研究科, 名誉教授 (10113424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 泰之 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (00455370)
若林 克法 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (50325156)
高井 和之 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (80334514)
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Project Period (FY) |
2008-06-04 – 2013-03-31
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Keywords | グラフェン / 電子構造 / ナノ材料 / 走査プローブ顕微鏡 / 磁性 / 炭素材料 / 電子・電気材料 / 表面・界面物性 |
Research Abstract |
(1)Arイオン照射と水素付加により作製したグラフェンナノ孔の高分解能STM/STS実験とDFT計算により、水素終端グラフェンの電子状態を解析した。1水素化ジグザグ端では、エッジ状態が観測され、理論計算によって良く再現された。また、STSスペクトルではエッジ状態の状態密度が3つのピークに分裂し、理論計算との対応により、Stoner型のスピン分裂に帰属された。さらに、1つの2水素終端炭素と2つの1水素終端炭素により構成される水素終端ジグザグ端ではエッジ状態が消失し、代わって、電子波干渉による超格子の形成が観測された。(2)酸化グラフェン中に形成されたグラフェンナノ構造をSTM/STS、非接触AFM観測により調べた。ナノ構造の伝導性はそのサイズが大きくなるに従って増加し、また、ジグザグ型ナノ構造ではアームチェア型ナノ構造より伝導度が大きいことが観測された。さらに、アームチェア構造ではsextetが局在し、ジグザグ端では移動することが見出された。これらの結果は、Clar則を実験的に証明した初めての結果である。(3)ナノグラフェンの端酸化による電子状態の変化をNEXAFS、熱分析、伝導度の実験から解析し、ナノグラフェン端の酸化をして行くと、芳香族性の弱いジグザグ端が次第に減少し、代わって芳香族性の強いアームチェア端の割合が大きくなることが明らかとなった。(4)ジグザグ端の磁性状態に関して、配置間相互作用の数値計算手法を用いて、その電荷・スピン励起構造を調べた。電荷励起に関しては、平均場近似で得られる一電子描像とよく一致することを示した。しかし、スピン励起構造に関しては、一電子描像では得られないギャップレスのスピン励起が起きることを明らかにした。(5)電気化学FM-AFMによるフォースカーブ測定の結果、過塩素酸水溶液中においてグラファイト電極界面に水和構造が形成されることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(84 results)