2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20002010
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
平野 達也 独立行政法人理化学研究所, 平野染色体ダイナミクス研究室, 主任研究員 (50212171)
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Project Period (FY) |
2008-06-04 – 2013-03-31
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Keywords | 細胞周期 / 有糸分裂 / 減数分裂 / 染色体 / コンデンシン |
Research Abstract |
(A) コンデンシンIIのS期における役割:間期核クロマチンを強制的に分裂期染色体様の構造に変換する PCC法を改良し、複製前後における染色体形態の変化を可視化することを試みた。複製後期のPCC誘導細胞では、コンデンシンIIは複製を終えた領域のみに見いだされ、2本の染色分体の軸上に局在していた。一方、コンデンシンIIを除去した細胞においてPCCを誘導すると、複製後期に観察される姉妹染色体の分割が大きく抑制された。次に、FISH解析を行い、コンデンシンIIが複製したDNAをS期のうちに分離させていることを確認した。これらの結果は、コンデンシンIIは既にS期から姉妹染色分体の分割を開始して分裂期染色体の凝縮と分離の準備を進めていることを示唆する。 (B) コンデンシンの分子メカニズム:枯草菌由来のコンデンシン様複合体(SMC-ScpAB)を精製し、電子顕微鏡観察により、この複合体分子を可視化した。その結果、ScpAとScpBの制御サブユニットはSMCのV字状末端に存在するヘッドドメインの一方にしか結合しておらずSMC-ScpA-ScpB複合体の量比が2:1:2であることがわかった。この非対称な構造は、SMCのATP加水分解能を欠失させた各種の変異体でも観察されることから、SMC複合体の機能を理解するうえで本質的な構造であると考えられた。(C) 原始紅藻シゾンにおける2つのコンデンシンの動態と機能:2つのコンデンシンを有する最も単純な生物シゾンをモデル系として両複合体の動態を解析した結果、進化的に大きな隔たりをもつ哺乳類細胞で観察された動態とよく似ていることがわかった。また、驚くべきことに、この生物ではコンデンシンIIの遺伝子を破壊しても生育可能であった。これらの知見は、染色体構築と動態の進化について大きな示唆を与えるものである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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