2008 Fiscal Year Annual Research Report
癌細胞の浸潤・転移関連RacGEFと細胞接着分子の構造生物学
Project/Area Number |
20011006
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
箱嶋 敏雄 Nara Institute of Science and Technology, 情報科学研究科, 教授 (00164773)
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Keywords | 浸潤 / 転移 / 細胞接着 / 膜裏打ち / GEF |
Research Abstract |
CD44の細胞質ドメインを大腸菌でGST-融合タンパク質として発現・精製して,溶液中での会合状態や構造形成について,ゲル濾過、分析超遠心実験、CDスペクトル、NMRによるHSQCスペクトル測定によって解析した.その結果,溶液中では単量体で,伸びたランダムコイル状態であることがわかった.次に,ERMタンパク質のN-末端のFERMドメインとCD44ペプチドとの複合体を結晶化して,構造決定した.その結果,CD44のKKKLVINモチーフがサブドメインCに結合することが明らかとなった.このモチーフは既に明らかにしているICAM-2などのモチーフ(Motif-I)とは異なることがわかった.また,関連接着分子として,CD43との複合体も構造決定して,この場合には,ICAM-2との相互作用とよく似ていることが判明した. MT1-MMP(membrane type-1 matrix metalloproteinase)の細胞内領域の合成ペプチドを用いてFERMドメインとの良好な複合体の結晶を得た.構造解析の結果,CD44とは異なり,FERMドメインのサブドメインAに結合することがわかった.ERMタンパク質は,MT1-MMPとその基質のCD44の両方に結合することがわかった. 更に,Tiam1/Tiam2(T-lymphoma invasion and metastasis-1, 2)のPHCCExドメインの結晶構造解析に成功して,これが新規なドメインであることを明らかにした.
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