2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規抗がん薬のデザイン、探索を目指した微小管プラス端集積因子の構造解析
Project/Area Number |
20011008
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
三島 正規 Tokyo Metropolitan University, 理工学研究科, 准教授 (70346310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 隆 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (80261147)
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Keywords | 構造生物化学 / 生物物理 / NMR / 蛋白質 / 生体分子 / 微小管 / 構造解析 / 相互作用 |
Research Abstract |
細胞の運動や形態形成、分裂といった複雑な活動を担う微小管(α, β-tubulin)は、極性のある繊維状の構造をとり、主にその伸長端(プラス端)において動的に伸長と短縮を繰り返す。CHP-170は、微小管プラス端と直接結合し、その配向や伸長を制御し、細胞骨格の構築に非常に深く関わることが細胞生物学・生化学的研究から近年明らかになっており、我々が過去に行ったCLIP-170のCAP-Gly2ドメインとα-tubulinのC末端ペプチドの複合体の構造解析からCAP-Glyドメインの認識配列がEExEEY(coo-)であることが明らかになっている。 本研究では、その相互作用を人為的に増強するため、まずα-tubulnのC末端ペプチドに種々のフッ素化を導入し、SPR等を用いて相互作用実験を行うことを意図したペプチドデザインを行った。さらに低分子の阻害剤を実験的に検討するため、市販の低分子化合物の結合をNMRを用いて行ったところ、実際に結合する低分子を同定することができた。特定のリン脂質が結合し、その相互作用部位がα-tubulminのC末端ペプチドと拮抗する部位であることもNMRから明らかにした。またCLIP-170は2つのタンデムなCAP-Glyドメインをもつが、タンデムCAP・Glyでは、α-tubulinペプチドとの相互作用が約10倍上昇するため、タンデムCAP-Glyドメインへの阻害剤を指向して、タンデムCAP-Glyドメインとペプチドの複合体構造解析を行った。
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