2008 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチンレベルにおける遺伝子発現制御機構解析に基づく癌化機構の解明
Project/Area Number |
20012012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀越 正美 The University of Tokyo, 分子細胞生物学研究所, 准教授 (70242089)
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Keywords | 遺伝子 / 酵素 / 生体分子 / 蛋白質 / 発現制御 |
Research Abstract |
1. ヒストンシャペロンCIAとMybとの相互作用を介した正の発見制御過程の解析 ヒストンシャペロンCIAによる転写活性化促進の分子機構の解明のため、これまで得られている知見を基に、生化学的・遺伝学的解析を行うと同時に、DNA結合因子を始めヒストン化学修飾酵素や様々なコファクターとの相互作用解析などを行った。 2. ヒストンシャペロンTAF-IとKLF5との相互作用を介した負の発現制御過程の解析 ヒストンシャペロンTAF-Iによる転写活性化抑制の分子機構の解明のため、これまで得られている知見を基に、KLF5の活性を阻害するヒストン脱アセチル化酵素の同定を試みた。更に、他のヒストンシャペロンANP-32BによるKLF5への負の作用機構に関しても解析を進めた。 3. CIAの立体構造解析に基づいたp53との機能的・構造的関連性の解析 ヒストンシャペロンCIAが、DNA結合性因子p53のDNA結合ドメインと相同な構造を有していることが明らかになった。そこで両者の関連性を見出す解析として、CIAのDNA結合活性及びp53のヒストンシャペロン活性の検定を進めた。更にp53の化学修飾の示すネットワーク性について解析を進めた。 4. ヒストンシャペロンCIAとプロモドメインとの機能的・構造生物学的相互作用の解析 ヒストンの化学修飾からヌクレオソーム構造変換過程の仕組みを明らかにする目的で、遺伝学的、生化学的、そして構造生物学的解析を行い、プロモドメインによるアセチル化認識からヌクレオソーム構造変換に至るヒストンシャペロンCIAの機能的役割を明らかにした。世界に先駆けてヌムレオソームレベルでの転写活性化の仕組みを明らかにした。この成果は平成22年PNAS誌に発表された。 5. ヒストンの化学修飾におけるネットワーク構造の特性に関する解析 ヒストンの化学修飾のネットワーク構造がスケールフリー性を示し、変異に対して頑強性を有することを示した。また、このネットワークの構造的基盤の特性を明らかにした。更にシグナル伝達から遺伝子発現に至る特性についても明らかにした。
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Research Products
(16 results)