2008 Fiscal Year Annual Research Report
自然免疫制御因子ASCによるATP代謝制御とオートファジーに伴う細胞死の制御
Project/Area Number |
20012020
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
谷口 俊一郎 Shinshu University, 医学系研究科, 教授 (60117166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相良 淳二 信州大学, 医学部, 教授 (10225831)
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Keywords | ASC / オートファジー / ATP / サイクリンD / 細胞死 / 炎症 / 平滑筋細胞 / カスペース1 |
Research Abstract |
自然免疫制御因子であるASCの細胞死制御への関与を明らかにするという目的で研究を行い、以下の成果を得た。 平滑筋培養細胞で血清除去を行った所、野生型細胞は生存数が減少する一方、ASC欠損細胞は細胞数が増え続け、オートファージーが顕著に見られた。ASC欠損細胞に3MAを作用させると細胞数が減少したことからその生存がオートファジー依存的であると考えられた。また、ASC欠損細胞のAMPKが活性化し培地からグルコースを除去すると細胞死することから、エネルギー産生能が低下しATP産生は解糖系に依存していると示唆された。ATP産生を両細胞で比較すると、ASC欠損細胞はその程度が野生型細胞に比べ低く、低栄養状態でATPはさらに激減した。そして低栄養条件下のASC欠損細胞にATPを作用させると細胞死が誘導された。また同条件下で細胞周期調節蛋白質を調べると、サイクリンD1が野生型で誘導されるが、ASC欠損細胞では誘導されないことが判明し、ATPをASC欠損細胞に加えると細胞死とサイクリンD1の誘導が見られた。 以上、飢餓というショック状態においてASCがATPを介してサイクリンD1を誘導し細胞死をもたらす現象を認めたが、サイクリンD1誘導による細胞死は神経細胞で既に報告があり、そのような細胞死にASCが上流で関与することを暗示させる成果である。自然免疫でもATPは上流制御因子として必要であり、自然免疫・細胞死制御面で新たなASC機能を示唆する成果として意義あるものと考えられた。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Critical role of bone marrow apoptosis-associated speck-like protein, an inflammasome adaptor molecule, in neointimal formation after vascular injury in mice. 82008
Author(s)
Yajima N, Takahashi M, Morimoto H, Shiba Y, Takahashi Y, Masumoto J, Ise H, Sagara J, Nakavama J, Taniguchi S, Ikeda U.
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Journal Title
Circulation 17
Pages: 3079-3087
Peer Reviewed
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[Journal Article] Role of ASC in the Mouse Model of Helicobacter pylori Infection2008
Author(s)
Benoit BN, Kobayashi M, Kawakubo M, Takeoka M, Sano K, Zou J, Itano N, Tsutsui H, Noda T, Fukuda M, Nakavama J. Taniauchi S
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Journal Title
J. Histochem & Cytochem 271
Pages: 9-12
Peer Reviewed
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